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2003 年度 実績報告書

『両住まい』家族の居住ニーズに対応した居住支援施策のあり方に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14550607
研究機関大阪教育大学

研究代表者

碓田 智子  大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70273000)

研究分担者 高田 洋子  福井大学, 教育地域科学部, 教授 (80171445)
久保 加津代  大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (50214987)
キーワード両住まい / 居住ニーズ / ライフスタイル
研究概要

本研究では、生活的にも経済的にも自立した個と個のカップルが、就業上の理由で日常の住まいを別にする二カ所居住を『両住まい』と定義し、『両住まい』家族の居住実態と居住ニーズについて調査・検討を行った結果、下記の点を明らかにした。
(1)『両住まい』の典型的事例は、大学に勤務する女性研究者にみられる。大学における女性教員の割合はまだまだ低く、望む地域に望む職を得にくいことが『両住まい』の大きな要因であることが明らかになった。全国の国立大学の女性研究者470名の調査で46%が『両住まい』経験者であったことは、予想をはるかに超えるものであった。
(2)『両住まい』の経緯には様々なパターンがあるが、女性の側の就業上の理由によって発生することが多い。結婚・出産後、就職によって子どもを抱えての『両住まい』が少なくないことが明らかになった。
(3)『両住まい』家族には、住宅立地の利便性や子育ての住環境、宅急便などの留守時の預かりや留守宅の管理、複数住宅居住世帯への家賃補助など幅広い内容の居住ニーズがあることが明らかになった。
(4)建築関係の若年専門職女性を対象に行った調査結果からは、夜遅くまで勤務する環境にありながらも、家事と仕事の両立を志向する者が多く、仕事の発展・継続のためなら『両住まい』への共感も一定あることが明らかになった。また、共働き世帯や妻の就業上の都合による別居体験がある場合は、男性側も『両住まい』の共感度が高いことが明らかになった。
『両住まい』は、現段階では特殊な住まい方であると言えるが、共働きや単身赴任世帯が増える中、今後の複雑で多様な家族の一つの居住スタイルを示していると考えられる。現時点では、『両住まい』を支える社会的な支援策は殆どない。ライフスタイルの多様化に対応した、ソフトな面にも目を向けたきめ細やかな居住環境整備が求められる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 久保加津代: ""両住まい"女性研究者の居住実態に関する研究"都市住宅学. 36. 61-74 (2002)

  • [文献書誌] 碓田智子, 久保加津代, 竹澤志朗: "専門職若年女性の職業・結婚観と"両住まい"志向"生活科学研究誌. 1. 113-120 (2002)

  • [文献書誌] 竹澤志朗, 碓田智子, 久保加津代: "男性の両住まい志向についての調査研究"日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 1227-1228 (2003)

  • [文献書誌] 碓田智子, 久保加津代, 高田洋子, 竹澤志朗: "『両住まい』女性研究者の生活実態と居住ニーズに関する調査研究"日本建築学会近畿支部論文研究報告集・計画系. 第44号(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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