研究課題/領域番号 |
14550611
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉村 英祐 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50167011)
|
研究分担者 |
飯田 匡 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40335378)
横田 隆司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20182694)
柏原 士郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029164)
|
キーワード | 車いす / 避難 / 火災 / 避難階段 / 一時待機場所 / 階段型スロープ / スロープユニット / 速度計測 |
研究概要 |
1.医療・福祉施設の避難施設避難階段への一時待機場所の設置可能性の検討 (1)医療・福祉施設578例の病棟部基準階にある屋内避難階段995例の平面形状・寸法を分析した結果、ADAの一時待機場所の平面寸法基準を満たすものが8例(0.8%)しかないことを明らかにした。 (2)避難階段の踊り場に一時待機場所を設置した場合の床面積の増加量を検討するとともに、一時待機場所の設置誘導を目的とした、経済的負担増に対する緩和措置を提案した。 2.車いす利用者による階段型スロープユニットの走行性の評価 昨年度提案した4種類の階段型スロープユニット(平均勾配1/20)を、昨年度の実験結果をもとに2種類に絞り、それらを対象に車いす利用者による走行性の評価実験を行った。その結果に基づき、階段型スロープユニットの候補を決定した。 3.階段型スロープの走行性の評価 2で決定した階段型スロープユニット2段分の階段型スロープを、勾配20分の1の通常型スロープと平行に組み立て、健常者と車いす使用者を被験者として、両者の車いす昇降時の速度計測と同時に昇降しやすさの比較実験を行い、以下の結果を得た。 (1)階段型スロープは中間踊り場があるため、通常型スロープよりも上り走行時の負担が軽い。 (2)階段型スロープは下り走行時に中間踊り場で減速できるため、加速による恐怖感が通常型スロープより少ない。 (3)介助者による介護走行のしやすさの評価は、両者に差が見られない。 4.長大スロープにおける車いすの走行実験 屋外スロープの推奨勾配20分の1の長大スロープ(斜路部長さ18m)において、健常者による車いすでの昇降実験を行った結果、上り時には上肢への負担が大きいこと、下り時には加速がついて危険な場合があることを明らかにした。この結果は、通常型スロープに対する階段型スロープの優位性を補強するものである。
|