研究課題/領域番号 |
14550620
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
森 一彦 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (40190988)
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研究分担者 |
加藤 宏 筑波技術短期大学, 視覚部, 助教授 (50177466)
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キーワード | 情報補償環境 / 探索行動 / 情報障害 / アンカーポイント / 注視行動 / サイン情報 / 空間的てがかり / WASS |
研究概要 |
本年度は、3カ年の研究期間の最終年度であり、追加調査・実験および研究のまとめを行った。具体的には(1)WASS環境による情報障害レベルごとの擬似的環境の再現による探索行動実験を行い、(2)その結果から情報補償環境計画に関わる要件の整理した。さらに、(3)海外での研究発表による情報交換、および今後の展開として、WASS環境による環境診断についての検討および課題を整理した。以下に、その具体的な内容を記す。 (1)WASS環境による情報障害レベルごとの擬似的環境の再現による探索行動実験:2年間で開発し、有効性を検討したWASS環境で、具体的な情報レベルごとに擬似的環境を再現し、そこでの探索行動実験を行った。具体的には弱視」、「霧視」の2種類の情報障害について探索行動実験を行い、そこでの探索行動特性、視認行動特性を明らかにした。 (2)情報補償環境計画に関わる要件の整理:情報補償環境として情報障害レベルに応じた情報補償のあり方を考察した。特に、環境に初めて訪れたときの情報補償のあり方、次第に環境に適応したときの情報補償環境として、初期段階ではサイン情報が中心であるが、その後空間的な特徴(てがかり)が重要であること、その手がかりとなる場所が探索行動におけるアンカーポイントとなること、などの要件を示した。 (3)海外での研究発表による情報交換:すでに2年間で行った研究成果を国際学会で発表し、研究交流を大なった。本研究の意義を国際的視点からみたとき、情報障害のある利用者について検討した先駆的研究であると評価された。しかし、施設におけるケーススタディにとどまっているため、他施設での有効性の検討が必要である点、その研究結果を活用されるまで整理されていない点など、今後の課題も明らかになった。
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