自立移動ロボットによるシミュレーション実験 本学備品である研究用ロボット(Khepera)とパーティションを移設することでさまざまな建築・都市空間のパタンを作ることのできる実験用走行路を用いてシミュレーション実験を行なった。走行路にはグリッド状に赤外線発光器が多数埋め込まれており、各発光器はCPUにつながれてロボットの位置検知と位置情報の応答ができるようになっている。 本年度は、位置情報を取得して経路探索を行うプログラムをVisualBasicにより作成した。プログラムの機能は、下記の通りである。 1)実験用走行路のCPUと外部コンピュータ(本年度購入備品)との通信を、RS232Cを介して行う機能。 2)外部コンピュータのディスプレイ上に走行路の図を表示して目的地を登録する機能。 3)ロボットの現在地を検知してディスプレイ上の走行路の図に表示する機能。 4)取得したロボットの情報(位置と向き)から次のロボットの動きを制御する機能。 5)目的地に到達したか否かを判断する機能。 ここで、4)が本研究の根幹をなす「空間図式」の機能であり、本年度のプログラム上では関数プロシージャとして独立させている。本年度は地点通過カウンター変数を設けてロボットの向きを制御する最もベーシックなアルゴリズムを用いたが、これは、次年度開発する位置情報をコード化することで、目的地と現在地の間の経路探索(途中の経路が不明な場合の)を最適化するアルゴリズムのパフォーマンスを計る比較対象とする予定である。
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