研究概要 |
1.資料の整理 後藤慶二資料は、日本近代建築史上著名な建築家・構造家の後藤慶二(1883〜1919)が生前に作成・蒐集したもののかなりの部分が伝えられたもので、図面や書籍(その多くは洋書)、スケッチ、日記などの個人資料などからなる。同資料を1点ずつチェックし、その内容や、作成年などを検討したうえで、データベースに入力する作業を続けてきたが、今年度でその作業を一応終了した。その結果、資料点数が7,369件であること、その内容は図面資料、写真資料、蔵書・プレート集、その他資料に分類できることを確認できた。資料内容のデータベース化も完了した。 2.重要と思われる資料の写真撮影およびデジタル化 後藤慶二の作品として有名な、豊多磨監獄のスケッチ、東京区裁判所のスケッチ・設計図、そのほかに彼の残したスケッチ帳の重要と思われるものの写真撮影、デジタル化を行った。 3.これまでに確認できたこと これまでの調査で、後藤慶二の建築観や、構造学についての知識を知るうえで意味があると思われる資料が少なからず含まれ、この資料が貴重な建築資料であることが確認できた。また、彼が蒐集した文献に、日本における構造学の形成過程に関する手がかりが見いだせることも確認できた。
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