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2003 年度 実績報告書

社寺建築のもつ外部空間・景観の復原的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14550642
研究機関近畿大学

研究代表者

櫻井 敏雄  近畿大学, 理工学部・建築学科, 教授 (60088424)

キーワード社寺空間 / 歴史的空間 / 境内 / 祭り / 近世社寺 / 寺院群 / 茶屋町 / 行楽
研究概要

前年度及び今年度に行った個別的な調査にもとづいて、社寺を取り巻く境内全体や境内空間の変遷について検討し、そのうち東京・大阪・金沢で主要な祝祭空間・宗教空間について分析・考察した。
経済を優先して発展してきた都市空間の中心部は政治・経済・商業の中心となり、人間が集住する空間を狭め、衛星都市を発展させたが、一方で都市の中心部は空洞化する現象を生み出している。本研究で扱った社寺の境内や門前の空間は、これまでの経済性を追求する都市空間において侵食され、歴史的空間は急激に変貌したが、祝祭的・宗教的空間は失われると、二度と再生できない空間である。現在の都市空間に痕跡をとどめ残る部こうした空間に復原的考察を加え、さらにはその変遷過程を周辺の空間も含めて立体的に明らかにした。社寺が持つ伝統的空間は制約されたが、宗教的な意味を超えて多様な意味をもつ空間として、都市の中で位置づけられる必要がある。
そのためには過去において祝祭的・宗教的な空間がどのような意味と関わり合いをもってきたか、ないしもっているかを明らかにし、見落としていた事実を掘り起こし、現在の都市の町づくり中で再考する必要がある。その主要なものとして、大阪の大阪天満宮と天神祭りおよび天神橋筋、東京の仲見世として成立する浅草寺・浅草神社の境内と建築構成の変遷過程を考察し、焼失しなかった城下町金沢の観音院と東茶屋町(伝統的建造物保存群)の成立過程、卯辰山麓寺院群との関連性などについて検討した。その結果、江戸時代における庶民と祭事の関わりやその重要性が認識され、特に為政者がこれを整備するとともに、そこが行楽の中心となり、いずれの空間も現在の都市空間に大きな足跡と影響のあることを確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 櫻井 敏雄, 堀田裕次郎: "大阪天満宮に関する調査研究"近畿大学理工学部研究報告. 第38号. 93-102 (2002)

  • [文献書誌] 櫻井 敏雄, 成沢隼一: "道明寺天満宮に関する調査研究"近畿大学理工学部研究報告. 第38号. 103-109 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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