• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

アイヌ民族の住居(チセ)に関する建築史的研究-北海道における平地住居の成立過程-

研究課題

研究課題/領域番号 14550646
研究機関北海道開拓記念館

研究代表者

小林 孝二  北海道開拓記念館, 学芸部, 研究員 (80142090)

キーワード竪穴住居 / 平地住居 / 普遍性 / 多様性 / 地域性 / 個別性 / 変容促進因子 / チセ
研究概要

本年度は、昨年度に実施した竪穴住居の実証的復元作業について、その後の経過調査を行うと同時に、近年、発掘事例が増加している、アイヌ文化期の平地住居の発掘遺構についての現地調査、資料収集、評価、分析を中心に研究を進めた。
復元済みの竪穴住居に関する経過調査については、復元後、1年あまりの期間の中で、主に、風雨、降雪などの外的環境条件変化の影響を大きく受けること、特に、雨水処理、融雪期の「すがもり」等に対する対応が問題点としてあげられる。一方、実際に居住した時代においては、漏水などの発生についても、現在とはおのずから要求水準が大きく異なることが想定出来る。このことをふまえて評価基準を設定することを今後の研究課題の一つに加えたい。
平地住居の発掘遺構については、北海道各地で事例の報告が増加している中で、恵庭市に所在するオルイカ2遺跡を中心に調査を行った。オルイカ2遺跡は、アイヌ文化期の遺構を含む遺跡で、平成16年度の発掘調査によって、数軒分の平地住居遺構が確認された。これらの遺構のうち、最大規模のものは、長軸約7メートル、短軸約6メートルの主屋に約2メートル四方ほどの付属屋がつくもので、平面形はほぼ整形に区画され、近代のチセの形態に類似していると言える。
柱穴は、最大のもので直径約20cm、深さ約70cm。多くの柱穴が、柱穴列によって閉じられた平面区画の内側に内傾している事が明確に確認出来る貴重な遺構である。また、これらの柱穴の配置は、向かい合う柱穴列同志がほぼ対応する関係に配置され、建設にあたって建設者の計画の意図をうかがう事が出来ると同時に、木造軸組構造として、上部構造の想定復元が可能な事例と考えられ、北海道におけるアイヌ文化期における平地住居の成立過程を考察する上での貴重な資料を得ることが出来た。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 明治前期洋風住宅の平面計画の基本型に関する研究-北海道と19世紀アメリカ東部の関連について-2005

    • 著者名/発表者名
      駒木定正, 小林孝二, 中渡憲彦
    • 雑誌名

      住宅総合研究財団研究論文集 No.31

  • [雑誌論文] 北海道の中世期におけるアイヌの住居をめぐる視点2004

    • 著者名/発表者名
      小林 孝二
    • 雑誌名

      北海道におけるアイヌ文化期の住居形式の変容-竪穴住居から平地住居への変容過程-2004年度日本建築学会(北海道)建築史・歴史意匠部門 研究懇談会資料

      ページ: 3-13

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi