研究課題/領域番号 |
14550668
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松田 元秀 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (80222305)
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研究分担者 |
三宅 通博 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (30143960)
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キーワード | インターカレーション化合物 / ソフト化学 / イオン伝導体 / ファンデルワールス空間 / 合成 / 新規化合物 / 層状構造 / 層空間 |
研究概要 |
これまでに、ホストであるSr固溶Bi_2O_3へのヨウ素と銀のインターカレーションを検討し、現存しない全く新規なインターカレーション化合物の合成に成功している。以下に、得られた知見の幾つかを簡単に記す。 (1)その新規インターカレーション化合物の合成に関しては、ホスト内にヨウ素を予めインターカレートし、その後銀を導入するといった逐次インターカレーション反応が効果的であることが見出された。反応温度としては、ヨウ素インターカレーションに関しては443Kが、銀インターカレーションに関しては573Kが適当であった。 (2)X線回折の結果から、ホスト構造への銀とヨウ素のインターカレーションは確認され、その強度データより一次元電子密度分布を計算したところ、その種類のゲストはホストのファンデルワールス空間にインターカレートされていることが明らかになった。 (3)組成分析の結果、ヨウ素インターカレション後の試料に対して添加する銀量を変化させることによって、ゲスト組成はある程度制御可能であることが見出された。そのゲスト組成はAg/I比でおおよそ0.5前後にあることがわかった。 (4)組成分析とX線回折の結果から、Ag/I値が大きくなるにつれて、底面間隔は拡がることがわかった。インターカレーション反応前後の色変化並びに可視紫外吸収スペクトル測定の結果から、ヨウ素インターレーション後に、ホスト中のBiの部が+3価から+5価へ酸化され、銀がインターカレートされることによって、その酸化されたBiは再び+3価へと還元されることが推察された。
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