ナノデクノロジーを応用したナノファイバーの作成とその測定システムを確立した。ナノファイバーはエレクトロスピニング法により50ナノから1000ナノの任意の直径の繊維を作ることが可能となった。本研究ではアクリルニトリル、ポリスチレン、ポリブタジエンの3種類の特性の異なるポリマーを利用した。ポリマーに負荷する高電圧、溶液濃度を調整することによりナノファイバーが作成できる。負荷する電圧は10kVから30kVであり、概して高電圧ほどナノファイバーが得られやすかった。溶液濃度はポリマーの分子量に強く依存する。分子量が大きなポリマーほど直径の細いナノファイバーが得られやすいことが分かった宇。逆に低分子量のポリマーでは太さの均一なポリマーが得られず、溶液濃度が薄いと繊維にならずにドロップになった。またノズルの先端からターゲットまでの距離は短い方が望ましかった。また溶液の導電性が高い方が紡糸が容易だった。これらのファイバーの力学特性、導電特性は測定された。ファイバーの力学特性やそれから得られたナノ薄膜2軸伸長特性を測定するための新しい装置は試作された。これらを用いてナノファイバーの全方向力学物性が測定された。繊維の特性はねじり強度、弾性率に顕著に反映されることが分かった。本研究により合わせて3台のねじり試験機は制作された。従来までの試験機の高感度化、温度、湿度コントロールボックスを持つねじり装置、ねじり後に引張試験が可能な試験機である。また横圧縮特性をナノオーダーで測定可能なためのアンプとセンサーヘッドの改良によりナノファイバーの測定が容易になった。
|