研究概要 |
当研究の研究成果はまとめると以下のようになる。 1)1×10^<17> ^<57>Feイオン注入Al_2O_3グラニュラー膜を用い、昨年度から組み上げてきた電磁石方式の「磁場印加内部転換電子メスバウアー分光(CEMS)測定システム(印加最大磁場1.5T)」の性能を確かめた。その結果は、第41回理工学における同位元素・放射線研究発表会(2004.7.7.〜7.9)にて発表する。 2)FeイオンをAl_2O_3(サファイア)に追加注入して作製したグラニュラー膜TMR材料の磁場印加CEMS測定を行い、アニール条件とMR比の関係を調べ、MR比を大きくするための最適な作製条件を探った。その成果は、IUMRS-ICAM2003(Yokohama,2003.10.8~10.13)にて発表[3]。 3)スパッタ法で作製されたFe-Al-O系のグラニュラー膜におけるMR比は、上記イオン注入により作製したグラニュラー膜のMR比に比べて半分程度である。その理由を探るため、スパッタ法によるFe-Al-O系のグラニュラー膜についても磁場印加CEMSスペクトルを測定し、両グラニュラー膜中の鉄の微粒子の粒径分布の違いを比較した。また、X線光電子分光法(XPS)を用いてグラニュラー膜中のFeの充填率についての違いも調べ、国際会議(SCM2004,Darmstadt University of Technology, Seeheim,2004.6.27~7.1)に発表を申し込み、受理され、論文審査中[4]。 4)Feイオンに続いてCoイオンをAl_2O_3(サファイア)に注入するとFeCo合金微粒子が生成されることが林らにより見出された[2]。また、Fe微粒子の時のMR比(8%)よりも大きなMR比(12%)が観測された。その原因を探るため、1.0x10^<17> ^<57>Fe+0.5x10^<17>Co注入して作製したグラニュラー膜中のFeCo微粒子の磁場印加CEMSの測定を現在実行中。
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