研究課題/領域番号 |
14550681
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 雅俊 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10240524)
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研究分担者 |
大内 千秋 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00312603)
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キーワード | 蓄熱システム / 吸着剤 / 高炉スラグ / 水熱合成 / トバーモライト / ゼオライト / 水酸化カルシウム / 水砕スラグ |
研究概要 |
吸着熱を利用した蓄熱システム用の吸着剤の合成を目的として、鉄鋼精錬スラグを原料としたアルカリ水溶液水熱合成処理を行い、合成条件と生成相の関係を調べ、以下の結果を得た。 1.電気抵抗加熱炉を使用して試薬の酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニュウムを溶解後に急冷し、合成スラグを作成した。得られた合成スラグならびに高炉スラグ(水砕スラグ)を粉砕後、オートクレーブにて3N水酸化ナトリウム水溶液中で100〜200℃に加熱保持後水洗、ろ過して得られた粉末を乾燥後にX線回折により相を同定した。 2.上記と同様の試料と3N水酸化ナトリウム水溶液、ならびに炭化ケイ素ボールを収めたテフロン製の容器を100〜200℃に保持しながらモーターにより回転させ、粉砕処理を行いながら水熱合成を行った。 3.生成相は試料の組成にも依存するが、標準的な高炉スラグを想定した組成においては、上記1の合成法では主として水酸化カルシウムが得られ、2の合成法では主としてトバーモライトが得られた。 4.トバーモライトは水蒸気吸着能力の大きな物質であり、当初本研究で目標としていたゼオライト類に比べて高温安定性に優れる事から、高温での使用が可能な蓄熱用吸着剤として期待できる。
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