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2002 年度 実績報告書

超強加工PMプロセスによる材料の高機能化を目指した新しい組織制御方法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 14550693
研究機関立命館大学

研究代表者

飴山 惠  立命館大学, 理工学部, 教授 (10184243)

キーワード超強化工 / ステンレス鋼 / 相変態 / 超微細結晶粒 / ナノ構造制御 / 微細組織 / SUS316 / フェライト
研究概要

平均結晶粒径100ミクロン以下のSUS316L粉末に,MM(メカニカルミリング)を施すと,微細なα相が生成し,MM時間が長時間なほど,また,ひずみエネルギーが大きいほどα相の割合が増加する.本年度の研究では,ナノduplex,組織の形成メカニズムを検討した.
供試材は,PREP法で作製したSUS316L鋼粉末(平均粒子径〜1.0mm)である.この粉末に1373K-72ksで均質化を施した後,炉冷しAr雰囲気中で遊星型ボールミルによりMM処理を720ks施した.MM粉末をXRD, SEM, TEM/EDS観察に供し,組織観察を行った.
(1)MM前後の粉末表面および断面のXRD観察結果から,MM前,つまり均質化後の粉末は粉末表面,内部ともにFCC単相であり,また,SEM観察写真より,粒径数百nmであることがわかった.PREP粉末は,粒子径が大きいので,長時間の均質化処理によって固化しない.
(2)MM後の粉末表面および断面のXRD観察結果から,表面部はBCC単相であり,断面はFCC+BCCの2相であることがわかる.MMを720ks施した粉末では,幅数十nm,長さ数百nmのナノレイヤー組織が観察された.粉末の中央には図に示すように空洞が確認できた.空洞は,中心部に変形が集中したこと,および表面部のナノレイヤー組織生成による,半径方向の伸びのためであると考えられる.
(3)MMを720ks施した粉末の内部領域における,TEM観察写真および,ほぼ同じ領域から撮影した制限視野電子回折像(SADP)から,粉末内部でも,結晶粒径100nm程度の微細粒が観察でき,この領域ではSADPよりBCC+FCCの2相であることが明らかとなった.MMした粉末粒子の中央の粒は粒径が100nm程度であり,粒界が滑らかであるという特徴をもっている.この粒は,SADP観察結果よりBCC相であった.また,MM粉末を85℃-3.6Ksで熱処理を施すと,粉末内部は約70Hv軟化した.以上のことから,粉末内部のnano-duplex中のBCC粒は,不均一変形帯の増加による核生成,そしてMM中に多量に導入される空孔によるγ自由エネルギーの上昇にともない,マッシブ的にγ→BCC変態したものであると考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Inomoto, H.Fujiwara, K.Ameyama: "Nano-Ferrite Formation and Strain-Induced-Ferrite Transformation in an SUS316L Austenitic Stainless Steel"J.Metastable and Nanocrystalline Materials. (in print).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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