研究課題/領域番号 |
14550695
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
王 占杰 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20323074)
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研究分担者 |
前田 龍太郎 独立行政法人, 産業技術総合研究所, 主任研究官 (60357986)
佐藤 裕 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00292243)
粉川 博之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10133050)
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キーワード | PZT薄膜 / ゾルーゲル法 / レーザーアブレーション / ハイブリッドプロセッシング / 結晶配向性 / 電気的特性 / 圧電性 / マイクロアクチュェータ |
研究概要 |
PZT薄膜のマイクロ・マシンの機械素子への応用としてはその用途にもよるが、1.5〜10μmの厚さの薄膜を必要とする。PZT薄膜を作製するには、ゾルーゲル法やレーザーアブレーション法等の様々な方法があるが、厚さ3μmの薄膜を造るのに、いずれも多くの問題点がある。本研究では、ゾルーゲル法とレーザーアブレーションのハイブリッドプロセッシングを用いて、低温短時間で、良好な電気的特性および基盤との密着性を示す厚さ3μm程度のPZT薄膜を作製するプロセスを開発することを目的とする。本年度は、ゾルーゲル法を用いて、完全にペロブスカイト(Perovskite)結晶構造からなり、(100)面或いは(111)面の配向性があり、質が良い厚さ0.15μmのPZT薄膜の作製方法を確立した。ゾルーゲル法とレーザーアブレーションのハイブリッドプロセッシングを検討した。その結果、ゾルーゲル法とレーザーアブレーションのハイブリッドプロセッシングにより作製したPZT薄膜は(111)面の優先配向を持ち、良い電気的特性を示した。すなわち、レーザーアブレーションで作製したPZT層のペロブスカイト相への変態はゾルーゲル法で作製したPZT層の表面から始まるというエピタキシャル効果により、レーザーアブレーションで作製したPZT層は相対的に低いアニール温度でペロブスカイト相への変態が起こり、ゾルーグル法で作製したPZTと同じ結晶配向を持つと考えられる。以上の結果から、ゾルーゲル法とレーザーアブレーションのハイブリッドプロセッシングはPZTの厚膜作製に対して有効であることは明らかになった。
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