研究概要 |
2本のアルミニウム丸棒(A1070BD-H14)をめっきにより接合させるため,予め仮接合させた2本のアルミニウム丸棒の接触界面上へ亜鉛あるいはニッケルめっきを行った。その後これら2本のアルミニウム丸棒を引っ張ることでめっき膜とアルミニウム間の密着強度を評価した。この際アルミニウムの表面に生成した酸化物がめっき物の密着を阻害するので,アルミニウム表面の機械研磨の後一般的なジンケート処理法を適用した。ジンケート浴組成は5.0g/dm^3ZnO-120g/dm^3 NaOH-2.0g/dm^3FeCl_3・6H_2O-50g/dm^3C_4H_4NaKO_6・4H_2O-1.0g/dm^3NaNO_3とした。 その結果,アルミニウム丸棒がめっき法により接合できることを確認した。また亜鉛あるいはニッケルめっき膜とアルミニウム丸棒間の密着強さには,アルミニウム表面の化成処理条件の他に,アルミニウム表面の機械研磨による仕上がり状況が大きな影響を及ぼすことが判明した。例えば,ジンケート処理では一回目の亜鉛置換処理条件を90秒,次に36%硝酸で60秒のエッチング,さらに二回目の亜鉛置換処理を30秒実施したものが最も強い密着力を示した。一方,アルミニウム表面の機械研磨処理では,同じジンケート処理の条件下において,エメリー紙#1000で研磨した条件で最も強い密着力が得られることが判明した。
|