研究課題/領域番号 |
14550706
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
八重 真治 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00239716)
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研究分担者 |
福室 直樹 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10347528)
松田 均 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60118015)
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キーワード | マグネシウム合金 / 光パターニング / 半導体超微粒子 / 光触媒 / 二酸化チタン / 光電気化学 / 無電解めっき / ニッケル |
研究概要 |
本研究では、マグネシウム上に緻密な金属薄膜を密着性よくパターニングして作製する新しい方法の開発を目的としている。これにより、マグネシウムの最大の欠点である耐食性を飛躍的に向上させるとともに導電性接点などの作製を容易にし、その実用材料としての機能性の向上と利用範囲の拡大を図ることが最終的な目的である。 マグネシウム合金素地上に二酸化チタンゾルを塗布し、空気中で熱処理を施すことで、半導体超微粒子薄膜を形成させた。これを無電解ニッケルめっき浴に浸して紫外光を照射することで光電気化学的に金属の析出核を形成し、その後、同じ浴中で自己触媒的に金属の成長反応を進行させることで、ニッケル薄膜を作製した。一般に用いられている酸性から中性の無電解ニッケルめっき浴では、比較的耐食性の高い陽極酸化膜を形成したAZ31マグネシウム合金ですら激しく腐食した。そこで、pH11以上の高アルカリ無電解ニッケル-リン合金めっき浴を新たに作製して用いた。550℃で熱処理を施した基板をpH12のめっき浴に浸し適当なマスクを通じて紫外光を60秒間照射したのち、同じめっき浴中に保持したところ、光照射部分にのみめっき膜が約1nm/sの速度で析出した。めっき浴のpHが低いとマグネシウム合金基板が腐食し、高いとめっき浴が分解した。さらに、最近、我々が開発した、ヒドラジンを還元剤とする無電解純ニッケルめっき浴を用いることで、pH11.5で良好なパターニング性を示すめっきが可能となった。これらの条件で得られためっき膜は、剥離やふくれもなく、光沢性も高かった。これらの成果を第4回関西表面技術フォーラムで発表した。さらに、これらに関連する研究として、酸化物などの非導電性基板上への無電解めっきの始動に必要な活性化前処理方法について検討した。
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