研究概要 |
本年度の研究は主に再合成された物質の同定を行い,分解位置におけるプラズマ條件との関連について,より詳細に検討を行った。粒子種の計測には既有設備の分光システムを用い,生成物の同定には本研究補助金によって購入したガスクロマトグラフを用いた。実験は1〜6Torr範囲の2.45GHzマイクロ波放電H_2Oプラズマ中で,2〜3mm径のPET微粒子を試料として行われた。その結果: 1.各位置における試料分解中のプラズマからの発行の変化は,波長によって大きく異なることがわかった。 2.コールドトラップで回収した水溶液中の生成物の相対量は,試料の位置をプラズマの外周から中心部へ移動するにつれて減少する。それにともなってCH, CO, C_2の発光は強まるが,O, OHの発光は減少し,最終生成物であると思われるHの発光はほとんど変わらなかった。このことから,O, OHは分解と再合成に寄与する主要ラジカルであること,中心部の高濃度プラズマでは,分解がさらに進んで多くがCO_2などの気体に変化し放出されるため,水溶液中の生成物の量が減少するとの推測を確めることができた。
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