研究概要 |
化合物の熱力学的研究における固体電池起電力法の適用性を調べ、B2型化合物を主体に活量値を実測した。得られた結果は次のとおりである。 1.不定比性の大きなB2型化合物CoGaに微量の添加元素を加えて、1050-1250KでGaの活量に及ぼす影響を調べた。 1)Sb添加:1at%は影響なし。2,3%添加で活量は増加するが添加量の違いによる影響は小さい。 2)Ge添加:2%添加でGaが50%以上では影響がないが、4,6%添加で活量は全組成範囲で増加する。 3)Ni添加:2%添加では影響ないが、4,6%添加するとGaが50%以下で活量を増加させ、50%以上で低下させる 4)Fe添加:1%添加でGaが50%以下で活量を増加させ、それ以上では活量を低下させる。3%添加では全組成範囲で増加させる。 2.NaAl-CoAl B2型化合物固溶体について蛍石固体電解質を用いたAlの活量の測定方法(1000-1100K)が確立できた。 1)フッ素分圧を固定するために従来のフッ化アルミニウムに代えてCaAlF5+CaF2を用いると安定な起電力が得られることが判明した。 2)Alの活量はNiAl-CoAlの全組成範囲で両端のAlの活量を結ぶ線より下に凸の形状を示し、CoAl濃度が30%あたりまでの組成で活量は大きく低下し、それ以上の濃度では活量はわずかに減少する。 3)CoAl濃度が50%以下では温度の低下により活量は大きくなるが、50%以上では逆に小さくなる。 3.希土類元素の取り扱える雰囲気(グローブボックス)調査が終わり、化合物を作製中である。
|