研究概要 |
La-Ga系およびNd-Ga系の状態図はいずれも10数%にわたる広い不定比性を示すREGa_2領域を持ち、それらの化合物は溶融状態まで安定に存在する(RE=La,Nd). 本研究では蛍石固体電解質を用いた次のような濃淡電池を構成し、この領域内における組成範囲、700〜900Kで起電力測定を行った。 Mn,MnF_2|CaF_2|RE-Ga,REF_3 (I) RE,REF_3|CaF_2|RE-Ga,REF_3 (II)の起電力Eから3EF=-RT1na_<RE>の関係を用いてREの活量が求められる。F,R,Tはそれぞれはファラデー定数、ガス定数、温度を表す。 本研究では参照極として、その活性さのため実験の遂行が難しいRE,REF_3の代わりに参照極として安定度の高いMn,MnF_2を用いたセル(I)の起電力測定を行い、その結果と文献からのセルRe,ReF_3|CaF_2|Mn,MnF_2の起電力値を組み合わせて、Eを算出して化合物中の希土類元素の活量を算出した。得られた結果は次のとおりである。 Laの活量はこの化合物内で10^<-14>あたりの値から10^<-2>までLaの組成とともに増加し、33.3%あたりから急激に増加する。格子定数の測定結果は六方晶のc軸はほぼ一定であるがa軸はLaの低い組成範囲でほぼ一定であるのに対して30at%あたりから急激に減少する。Laの活量が大きく増加する組成とよい対応を示し、従来の化合物中で見られる傾向と同様の傾向が見られた。 一方、Ndの活量はその組成増加に伴って全測定組成範囲内でほぼ一様にしかも緩やかに10^<-14>ら10^<-9>あたりまで増加した。格子定数はNdの組成増加とともにa軸、c軸ともに緩やかに減少し、活量の組成依存性とよく対応している。
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