研究課題/領域番号 |
14550738
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大佐々 邦久 山口大学, 工学部, 教授 (30107726)
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研究分担者 |
尾辻 幸枝 (株)日本製鋼所, 機械研究所, 研究員
岩井 志帆 山口大学, 工学部, 教務員 (20335772)
中倉 英雄 山口大学, 工学部, 助教授 (10116733)
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キーワード | ハイブリッド型電解法 / 溶解性アルミニウム電極 / 電解浮上分離 / 複極式電極 / 不溶性金属被膜電極 / 電気分解 / シアン化合物 |
研究概要 |
ハイブリッド型電解法は、溶解性アルミニウム電極を用いた電解浮上分離と、不溶性電極を用いた電気分解を併用した手法である。本課題では、難生分解性化合物としてフェロシアン化合物を対象に、装置設計および操作の最適化に資することを目的とした。 溶解性電極を用いた回分実験から、分解過程は液温、pHなどが同じであれば、電流密度ごとに通電量[C/dm^3]で整理できた。また電解効率が増すため電流密度が低いほど、分離速度は増大した。初期pHが低いほど分離速度は増大するが、分離終期のpHは約8〜9に上昇した。連続実験では、分離効率に及ぼす電極構造の影響を検討した。その結果、複数の電極板を用いる場合、両端のみを電源に接続する複極式とそれぞれの板に電源を接続するタイプでは、同じ消費電力の場合、複極式の方が高い分離効率を示した。 回分分解実験では、酸素過電圧の異なるIrO_2、Pt、PbO_2の金属被膜電極(基板はTi)を用いた。シアン化合物は電解質にNaClを用いた場合にのみ分解された。したがってCl・が分解に寄与していると思われる。分解速度は、電流値が大きくなるほど増大するが、通電量基準でまとめることができた。分解過程として、フェリシアンは電解酸化によりフェロシアンに変化後急速に分解されるのに併せて、鉄イオン(塩化物と思われる)が生成し、鉄イオンは水酸化物の生成とともに漸減した。また分解速度は、PbO_2で最大となり、以下Pt、IrO_2の順となった。 ハイブリッド型の連続実験は、後段に優れた安定性を示すIrO_2電極を用いて行ったところ、最適操作条件下で、出口シアン化合物濃度は、ほぼゼロとできた。
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