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2003 年度 実績報告書

分子インプリント感温性ゲル微粒子を用いた重金属の吸着分離プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 14550750
研究機関広島大学

研究代表者

迫原 修治  広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80108232)

研究分担者 後藤 健彦  広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10274127)
飯澤 孝司  広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60130902)
キーワード感温性ゲル / 微粒子 / キレート / 分子インプリント / 重金属 / 吸着 / 温度スイング
研究概要

本研究では、温度スイングによって重金属を吸・脱着する新規な吸着剤の開発を目的として、感温性のN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)ゲルに重金属と相互作用するキレート基を分子インプリント法によって導入した吸着剤を合成し、その吸・脱着特性を調べて、この種のゲル吸着剤の開発の可能性を検討した。14年度は銅をターゲット分子として、キレートモノマーにN-(4-ビニルベンジル)エチレンジアミン(Vb-EDA)を用いてゲルを合成し、銅の吸・脱着特性を調べた。その結果、期待通り、ゲルの大きさがゲル合成時の状態になる温度、すなわち記憶させた吸着サイトが再現される温度で吸着量が最大になること、平衡吸着量はLangmuir式に従うこと、温度スイングによる吸・脱着が可能なこと、銅に対して選択性があることが確認された。しかし、吸着速度に関しては、100μm程度のゲルを用いているにもかかわらず、平衡吸着量に達するのに100時間程度を要した。これは、吸着ピーク温度がpolyNIPAMの転移温度(32℃)以上であるために、ゲルが疎水性に転移し、疎水性相互作用によって凝集することが原因であった。そこで、本年度は反応性界面活性剤を用いて分子インプリント感温性ゲル微粒子を合成し、この問題を検討した。具体的には、銅と錯体を形成させたVb-EDAをアニオン性反応性界面活性剤存在下でNIPAMと共重合して合成した。溶媒は水、合成温度は50℃である。この種のゲル微粒子はpolyNIPAMの転移温度以上でも凝集することなく分散状態を維持しており、吸着量の温度依存性、選択性等は14年度のゲルとほぼ同様の傾向を示し、吸着速度は著しく向上した。ゲル微粒子はハンドリングに問題があることから、今後はゲルの形態に関する検討が必要であるが、本研究で提案した新規なコンセプトによる感温性ゲル吸着剤の開発の可能性が示されたといえる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 金澤亮一: "反応性界面活性剤を利用した感温性ゲル微粒子の合成"化学工学論文集. 29・3. 400-405 (2003)

  • [文献書誌] Ryoichi Kanazawa: "Preparation of Molecular Imprinted Thermosensitive Gel Adsorbents and Adsorption/Desorption Properties of Heavy Metal Ions by Temperature Swing"Journal of Chemical Engineering of Japan. 37・1. 59-66 (2004)

  • [文献書誌] Ryoichi Kanazawa: "Preparation of Thermosensitive Microgel Adsorbent for Quick Adsorption of Heavy Metal Ions by Temperature Change"Journal of Chemical Engineering of Japan. 37(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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