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2002 年度 実績報告書

海洋深層水からのリチウムの高選択的分離回収システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 14550753
研究機関北九州市立大学

研究代表者

吉塚 和治  北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70191567)

キーワード海洋深層水 / リチウム / 2酸化マンガン / 吸着分離 / カラム分離
研究概要

本研究では、海洋深層水中からのリチウムの高効率、高選択的分離回収システムを創製する。詳細には、1.リチウム/ナトリウム選択性の極めて高い新規のλ型2酸化マンガン系吸着剤の開発、2.この吸着剤の性能評価、3.カラム法での流通時の圧力損失を防ぐための吸着剤の造粒・整粒方法の開発を行うことによって、高効率的に海水中からリチウムを高選択的分離回収するシステムの構築を行う。
本年度は、今までの研究結果、以下のような成果が得られた。
1.リチウム/ナトリウム選択性の極めて高い新規のλ型2酸化マンガン系吸着剤の開発
4酸化3マンガンと水酸化リチウムを原料として、空気雰囲気下高温の電気炉で焼成を行うことによってスピネル型酸素過剰マンガン酸リチウムを製造した。この中間体から、塩酸水溶液を用いてリチウムを溶離することによって、リチウムイオンを高選択的に認識するλ型2酸化マンガン系吸着剤を開発した。
2.新規の2酸化マンガン系リチウム吸着剤の性能評価
以上で合成した吸着剤のリチウム/ナトリウム選択性を測定した結果、カラム法では2300倍の選択性が得られた。この選択性は現在知るところでは世界一の性能である。
3.吸着剤の新規造粒法の開発
造粒用のバインダとしてはキチンを使用して以下のような造粒を行い粒状吸着剤を得た。吸着剤粒子の観察と結晶構造の確認は、走査型電子顕微鏡と粉末X線解析装置を用いて行った。
4.模擬海水からのリチウムの選択的分離回収実験
リチウムの連続式分離回収システムを用いて、模擬海水でのリチウムの膜透過速度に対する実験条件の影響について詳細に調べた。加えて、リチウムイオンを負荷した吸着かラムから希塩酸を溶離剤として用いて、リチウムイオンの溶離挙動を明らかにした。この研究成果については、論文にて発表するとともに、2003イオン交換国際会議にて発表する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Yoshizuka, K.Fukui, K.Inoue: "Selective Recovery of Lithium from Seawater Using A Novel MnO_2 Type Adsorbent"Ars Separatoria Acta. 1. 79-86 (2002)

  • [文献書誌] K.Yoshizuka, T.Suzuki, K.Inoue: "Selective Recovery of Lithium Ion in Saline Water Using A Novel λ-MnO_2 Adsorbent"Proceeding of International Conference of Ion Exchange, 2003. 1(in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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