高い触媒活性をもつPt、Pd、NiおよびCoと4〜7族のTi、Zr、V、Cr、Mnなどの遷移元素の組み合わせについて、アーク溶融炉あるいはシリコニツト電気炉を用いた混合溶融法により金属間化合物を調製した。空気中で粉砕し粒径を25μm以下にそろえた。粉末X線回折により、目的とする金属間化合物が単一相で形成されていることを確認した。空気中で保存した金属間化合物を水素気流下反応管中で前処理還元した後、化合物の触媒特性を検討した。まず、常圧流通系反応装置を用いてメタンのCO_2リフォーミングを行った。反応温度は750℃、CH_4/CO_2=1とした。Ni系およびCo系金属間化合物について検討した結果、いずれの場合もハフニウムとの組み合わせの化合物が高い触媒活性および安定性を示した。昇温酸化により触媒上に生成したコークの性状を調べた。NiHf上には多量のコークが形成されるが、CoHf上ではコーク形成が効率的に抑制されていることが明らかとなった。一方、エチレンの水素化にPtより高い活性を示した金属間化合物TiPt_3の微粒子化についても検討した。Pt/TiO_2の高温還元、Pt/SiO_2上へのTiのCVDによる担持、TiO_x/SiO_2上へのPtの逐次含浸担持の3通りの方法について調べた。その結果、TiO_x/SiO_2上へのPtの逐次含浸担持により、表面がすべてTiPt_3で覆われたPt微粒子が形成されることが分かった。この触媒は、エチレン水素化およびH_2-D_2平衡化反応に対し、Pt/SiO_2より高いTOFを示した。また、ブタジエンの水素化においては金属間化合物の特徴である高いブテン選択性を示した。すなわちTiO_x/SiO_2上へのPtの逐次含浸担持により、触媒としてTiPt_3微粒子と等価な金属間化合物微粒子を得ることに成功した。
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