研究課題/領域番号 |
14550774
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
畑中 千秋 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (80180884)
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研究分担者 |
水野 康平 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 講師 (80342583)
後藤 宗治 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教授 (40259966)
井手 俊輔 北九州工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (10041550)
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キーワード | 環境安全工学 / 水処理 / 脱窒 / 硝酸 / 中空糸 / バイオリアクター / ポリスルフォン |
研究概要 |
親水化ポリスルフォン中空糸(1.0mmφ、1.5mL)150本を束ねたエレメントの表面にPVA水溶液に分散させた脱窒菌スラリーを塗布し、-15℃にて凍結して菌体ゲルの薄膜を形成させた。これを3Lのジャケット付反応管に装着し、中空糸外側に20ppmの硝酸を含む人工排水を通液し、中空糸内部には還元に必要な水素供与体として0〜5atmの範囲で水素ガスを供給し、硝酸を連続的に窒素ガスへと還元する脱窒リアクターを製作した。中空糸内圧と外部供給量を変化させたときの脱窒速度への影響について検討した結果、中空糸内部圧力を高めることにより、中空糸表面の菌体への水素の総括移動容量係数を高めることが可能となり、少ない水素供給量で高い脱窒速度が得られた。内圧0.5atm、水素供給量20ml/minの場合、385mg-N/m^2・hの脱窒速度が達成された。脱窒速度の温度依存性について12℃〜22℃の範囲で検討したところ、10℃の低下で脱窒速度は657mg-N/m^2・hから239mg-N/m^2・hへと大幅に低下することがわかった。更に、脱窒速度に及ぼす陰イオン(Cl^-、SO_4^<2->、PO_4^<3->、CO_3^<2->等)および陽イオン(Na^+、K^+、Mg^<2+>、Ca^<2+>等)の影響を検討したところ、K^+、Mg^<2+>、Ca^<2+>、CO_3^<2->については原水中に既に含まれている濃度域で充分な脱窒が行われたが、リンについては原水中には全く含まれておらず、濃度0[ppm]で脱窒反応は著しく阻害された。しかし、0.5[ppm]以上ではリン濃度によらず脱窒速度は約500[mg-N/m^2・h]でほぼ一定値を示した。一方、リン濃度が10、50[ppm]と高濃度になると、脱窒速度は変わらないが菌体の増殖速度が大きくなり、連続運転1ヶ月でリアクター内が菌体の堆積により閉塞するため運転を停止してメンテナンスする必要があった。これに対し、0.5[ppm]では、同等の脱窒速度で2ヶ月以上の連続運転が可能であった。
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