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2003 年度 実績報告書

σ-πおよびπ-π相互作用を用いた光エネルギー捕集・伝達系の創製とその物理過程

研究課題

研究課題/領域番号 14550786
研究機関千葉大学

研究代表者

唐津 孝  千葉大学, 工学部, 助教授 (70214575)

キーワード光化学 / 有機ケイ素化学 / エネルギー捕集 / エネルギー伝達
研究概要

ケイ素鎖は同族の炭素の鎖からなる分子と異なった特性を有しており、その性質の解明は重要である。Si価電子の低いイオン化電位や、大きな3p軌道は、Si-Si結合でのσ共役能に加えて、芳香族とケイ素鎖とのσ-π共役能や、複数の芳香環間に働くπ-π共役能を利用し適切な分子設計をすることで新規な物性を有する材料の創製に有用である。さらに、Si-C結合、Si-Si結合は結合長が長く、かさ高い置換基を容易に導入できることから、アモルファス性に優れた材料の創成に適している。そこで特に発光材料やホール輸送材料としての新規な機能の発現に結びつくものと期待される。オレフィンの幾何異性体や、有機ケイ素化合物の主鎖のSi-Si単結合のコンホメーションを制御する事で、諸物性が変化する。光応答性官能基を主鎖・側鎖中に導入し、その光異性化・π-πスタッキング(エキシマー形成)・σ-π相互作用等により主鎖・側鎖の形状を変化させ、電子移動やエネルギー移動を制御する事を目的に、まず、主鎖や側鎖による光エネルギーの捕集・伝達メカニズムを解明した。
(1)側鎖にスチリルフェニル基を有するポリシランコポリマーを合成し、側鎖の光幾何異性化で主鎖構造のコンホメーションを制御することに始めて成功した。ポリシランは紫外部に主鎖構造に依存した吸収を与えることからそのコンホメーションを容易に知ることができる。一方、結合長が長いことから側鎖の立体障害で主鎖構造を制御することは困難であったが本研究で始めて成功した。
(2)1-ナフチル基と9-アントリル基をケイ素鎖(鎖数n=1〜6、5を除く)で連結したオリゴシランを合成し、そのエネルギー・電荷移動過程をピコ秒時間分解蛍光を用いて行った。その結果、これまで知られている炭素鎖連結系とは異なった非常に高速のエネルギー移動が起きることを明らかにした。この事は、新たな光エネルギー捕集系を構築するための重要な第一歩と評価できる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Kato, et al.: "Effects of Oxygen Atom in the Side Chain on Physical and Optical Properties of Dodecapentoxypentasilane."Chemical Physics Letters. Vol.370 No.1-2. 154-160 (2003)

  • [文献書誌] H.Kato, et al.: "How Does an Oxygen Atom in the Side Chain Affect the Photophysical Properties of Alkoxy-Substituted Organopolysilane Homopolymers and Copolymers?"Polymer. Vol.44. 3269-3277 (2003)

  • [文献書誌] T.Karatsu, et al.: "π-π and σ-π Interactions in α-ω-Di-(9-anthryl)- and Di-(1-naphthyl)-Oligosilanes. Studied by Time-Resolved Fluorescence in Solution."Journal of Physical Chemistry, B. Vol.107,No.44. 12184-12191 (2003)

  • [文献書誌] H.Kato, et al.: "Optical Properties of the Thin Films of Poly(methylpentoxysilane) Homopolymers and Copolymers."Polymer. Vol.44,No.26. 8005-8011 (2003)

  • [文献書誌] T.Karatsu, et al.: "Time-resolved fluorescence of α-(9-anthryl)-ω-(1-naphthykl)-oligosilanes : intramolecular electronic energy and charge transfer through π-π and σ-π interactions."Journal of Organometallic Chemistry. Vol.689,No.6. 1029-1035 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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