研究概要 |
複数種類のイオンの濃度測定および空間分布の画像化を行うことができるセンサーを開発するため、LAPSと呼ばれる半導体センサーの表面に複数のイオノフォアを含有するポリマー膜の集積パターンを作製するプロセスを開発した。パターンの作製にはフォトマスクを用いた光重合プロセスを用い、K^+,Li^+,Cs^+,Ca^<2+>,Mg^<2+>などに対して感度を有する膜の100ミクロンレベルのパターンを作製した。これによって一枚のセンサーで複数のイオンの濃度測定と画像化が可能になった。各々のイオンについて感度曲線を得たほか、各イオン間のcross-sensitivityについても調べた。複教種類のイオンの混合溶液において、各イオンの濃度を決定するため、人工ニューラルネットワークを用いた。 また、4種類までのイオン濃度を同時に測定できる携帯型のマルチセンサーを試作した。センサーヘッドは長さ約8cmのペン型で、従来のように測定セルに試料溶液を入れるのではなく、試料溶液にセンサーヘッドを差し込むことによって測定ができる。 イオンセンサーのほか、同様の構造を持つ酵素センサー(ウレアーゼ、コリンエステラーゼ)などを試作した。 さらに、微小体積の試料溶液の測定を可能とするため、センサー表面にフローチャネルを作製するプロセスを開発した。フローチャネルの作製にはフォトリソグラフィーを用い、フローチャネル中の試料溶液を集光レーザビームで走査・測定できるようにした。
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