ぺり環状反応とその関連として次のプロジェクトについて研究を行った。 (1)ブタジェンの環化反応:ブタジェン類の環化反応に関し共旋的環化反応と逆旋的環化付加に関する分子平面性とエネルギーギャップの関係を明らかにした。また、実験との対応をも示した。 (2)芳香族性:芳香族性に関する新しい指標(IDA)提案し、種々の化合物に対してこれを計算した。この結果は種々の化合物の芳香族性を統的に評価出来ることを示した。 (3)大規模計算法の開発:大規模溶媒システムの系の全ての分子を等価に分子軌道論的に取り扱う方法として既に提案したIMiC MO法を振動モード、遷移状態等を計算可能にするため2次微分の計算方法を開発しSN2反応に適応した。 (4)スイッチング分子の設計:スイッチング分子の機構とその電子状態としてトリチアペンタレンのスイッチング機構を明らかにした。 (5)Diels-Alder反応の置換基効果:Diels-Alder反応の親反応としてのブタジェンとエチレンに対する反応機構をCiLC解析を基に解明し、それに基礎として種々の置換基の働きを明らかにした。
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