研究概要 |
レーザー光を利用して固定した金ナノ粒子が無電解メッキの触媒として機能することを見いだした。この方法はガラスキャピラリー内部や多孔質材料の特定の部分に導電性の金属薄膜を形成する新しい技術である。棒状の金ナノ粒子(金ナノロッド)を液-液界面に析出させることにより、単粒子薄膜の作製に成功した。この薄膜を用いた表面増強ラマン分光測定を行って金ナノロッドの表面増強効果を評価した。金ナノロッド薄膜は数百倍高強度のラマン散乱効率を示した。金ナノロッド単粒子薄膜は表面増強ラマンセンサーの材料として有用であることがわかった。これに関連して、光機能性材料である金ナノロッド製造法を新たに開発し、これに関する特許を申請するとともに学術論文として報告した。金ナノロッドをガラス基板表面に固定し、各種溶媒への浸漬よっても凝集体を形成しない技術を開発した。基板に固定された金ナノロッドは近傍の屈折率変化によって可逆な吸収スペクトル変化を示し、金ナノロッド固定基板が屈折率センサーとして機能することを明らかになった。また,金ナノ粒子シクロヘキサン溶液にインジウム化合物を共存させて,これにレーザー光を照射することで導電性酸化インジウム薄膜を作製できることが明らかになった。光ピンセットを用いた粒子の凝集状態制御を行い、光による粒子の融合成長の制御に成功した。
|