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2003 年度 実績報告書

色素増感太陽電池用近赤外増感色素の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14550805
研究機関岐阜大学

研究代表者

松居 正樹  岐阜大学, 工学部, 教授 (60108058)

研究分担者 吉田 司  岐阜大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90273127)
箕浦 秀樹  岐阜大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40021612)
キーワード色素増感太陽電池 / 酸化チタン / 酸化亜鉛 / セミスクアリン酸 / 増感剤 / スチリル色素 / ヘプタメチレンシアニン色素
研究概要

本研究では、以下の3種類の新規な色素を合成して、色素増感太陽電池用の増感剤としての物性評価を行った。
1)芳香環が直接四角酸と結合した新規セミスクアリン酸類:酸化チタン用増感剤として評価した。これらの色素は酸化チタン上で、400nm付近に最大吸収波長を示した。光電気化学的評価の結果、a)窒素上のアルキル基が長くなると変換効率が高くなったことから、チタニア上での配列が重要であること、b)蛍光強度が高い順に変換効率が高くなったことから、蛍光強度の高い化合物を合成する必要があること、c)エタノールへの溶解性の高い色素のほうがより高効率の薄膜が得られる傾向にあることがわかった。光電変換効率(η)は、0.96%、開放電圧(V_<OC>)は0.59V、短絡電流(I_<SC>)は、2.88mA cm^<-2>、フィルファクター(FF)は58%であった。この結果は論文掲載された(Dyes Pigm., 58, 219-226 (2003))。
2)ヘプタメチンシアニン類:酸化チタンと酸化亜鉛の両方の増感剤として評価した。これらの色素は、半導体上で750-8608nmに最大吸収波長を示した。酸化チタンよりも酸化亜鉛に対して、より良好に増感作用を示した。この際、a)複素環部位は、ベンゾイセドレニン、b)中央のアンカー部位が2-カルボキシフェニルチオ基の誘導体が最も良好な結果を示した。η:0.16%、IPCE:4.17% (804nm)、V_<OC>:0.37V、I_<SC>:0.73mA cm^<-2>、FF:55%を示した。このような長波長領域で増感作用を示したことは重要と考えている。論文投稿中(Synth.Metals)。
3)新規スチリル色素:酸化チタンと酸化亜鉛の両方の増感剤として評価した。これら色素は、半導体上で、550nm付近に最大吸収波長を示した。電子供与部位のアルキル鎖が短い程高い変換効率を示すこと、複素環部位はベンゾチアゾール環が最も良い結果を示すこと、アンカー部位は、2-カルボキシエチル基が最も良好であることを見出した。酸化チタン上で、η:2.43%、IPCE:57% (550nm)、V_<OC>:0.47V、I_<SC>:9.34mA m^<-2>、FF:55%を示した。スチリル色素は構造改変が比較的容易なため、広い波長領域での増感作用が期待される。投稿準備中。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Matsui, K.Nagasaka, S.Tokunaga, K.Funabiki, T.Yoshida, H.Minoura: "3-Aryl-4-hydroxycyclobut-3-ene-1,2-diones as sensitizers for TiO_2 solar cell"Dyes and Pigments. 58. 219-226 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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