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2003 年度 実績報告書

アルキルフラーレンカチオンによるフラーレン被覆ナノ構造体の構築

研究課題

研究課題/領域番号 14550807
研究機関京都大学

研究代表者

北川 敏一  京都大学, 化学研究所, 助教授 (20183791)

研究分担者 小松 紘一  京都大学, 化学研究所, 教授 (70026243)
キーワードフラーレンC60 / カルボカチオン塩 / 超強酸 / シリコンウエファー / シリカ / 単分子膜 / 表面被覆
研究概要

1)アルキルフラーレンカチオンR-C_<60>^+の長寿命溶液の調製と固体単離
塩化物R-C_<60>-Clをジクロロメタン中で銀イオン(AgSbF_6)あるいはルイス酸SbCl_5で処理することにより、C_<60>骨格上の塩素原子をCl^-として引き抜きカチオンR-C_<60>^+を長寿命溶液として発生させることに成功した。このカチオンは水酸基をもつ化合物に対してきわめて高い反応性を示し、アルコール類(R'OH)とは瞬時に反応して対応するエーテル(R-C_<60>-R')を定量的に与えた。また、後者の発生方法で得たカチオンのジクロロメタン溶液にCS_2を添加することにより、R-C_<60>^+SbCl_6^-を赤褐色固体として単離することに成功した。以上の結果から、これまで超強酸溶液の形でしか得られていなかったアルキルC_<60>カチオンの中性安定溶液の調製、およびその塩の固体単離が達成できた。
2)アルキルフラーレンカチオンによるシリカ表面のフラーレン単分子膜による被覆
表面にSiO_2の自然酸化膜をもつシリコンウエファーを塩化物R-C_<60>-Clのジクロロメタン溶液に浸漬することにより、C_<60>骨格の単分子層に相当する厚さ10-14Åの有機分子膜を作成できることがエリプソメトリーにより確認された。この結果は、R-C_<60>-Clのイオン化により発生したカチオンR-C_<60>^+がSiO_2表面の水酸基と反応した結果であり、アルキルフラーレンカチオンの高い反応性が水酸基で覆われた固体表面をC_<60>骨格により効率よく被覆できることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 峯岸信也, 鎌田 潤, 竹内賢一, 小松紘一, 北川敏一: "Acid-Catalyzed Conversion of 7-Ethynyl- and 7-Vinyl-cycloheptatrienes to Substituted Benzene Derivatives"European Journal of Organic Chemistry. 18号. 3497-3504 (2003)

  • [文献書誌] 北川敏一: "Synthesis and Properties of Ionic Hydrocarbons Containing an Alkylated Fullerene Anion"有機合成化学協会誌. 61巻8号. 797-805 (2003)

  • [文献書誌] 李 洋洙, 北川敏一, 小松紘一: "Electron-Transfer Induced Substitution of Alkylated C_<60> Chlorides with Proton Sponge"The Journal of Organic Chemistry. 69巻2号. 263-269 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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