研究課題/領域番号 |
14550816
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 祥雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005518)
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研究分担者 |
塚田 直史 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70292240)
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キーワード | パラジウム / 白金 / ロジウム / 二核錯体 / C-H結合活性化 / 芳香環 / ダブルカルボニル化 |
研究概要 |
前年度の研究において、新規窒素-リン四座配位子を有するパラジウム二核錯体が芳香環炭素-水素結合のアルキンへの選択的cis付加反応の触媒となり得ることを見いだした。しかし、反応機構を含め未解明な部分が多かった。そこで本年度はまず、この反応についてさらに検討を加えた。同族元素である白金の錯体の研究および反応に必要な添加剤の検討から、上記反応はヒドリド架橋パラジウム二核錯体を中間体として進行していることが明らかとなった。また、種々の実験から反応機構を提案することができた。一置換ベンゼンを反応に用いると、置換基が電子吸引性であるか電子供与性であるかに関わらずメタおよびパラ置換体のみが生成しオルト置換体はは全く得られなかった。そのメタ/パラ選択性は、芳香環求電子反応においてメタ選択性を示す置換基(アルコキシカルボニル等)を有する場合には低下し、オルト-パラ選択性を示す置換基(メトキシ、ハロゲン等)を有する場合には向上した。また、一置換ベンゼン同士の競争反応において電子吸引性置換基を有するベンゼンが優先して反応することから、本反応ではベンゼン環が求核的に攻撃を受けていると考えられる。ヘテロ芳香族の炭素-水素結合の付加反応についても現在検討中である。 その他の触媒反応についても検討しており、パラジウム二核錯体がハロゲン化アリールのダブルカルボニル化反応に非常に有効であることを見いだした。一酸化炭素、アミン存在下で反応を行うとα-ケトアミドが高収率、高選択的に得られた。 新規二核錯体の創製に関しても引続き検討し、ロジウム二核錯体の合成に成功した。昨年度までに合成しているロジウムパラジウム二核錯体、ロジウムパラジウム二核錯体とともに、ヒドロホルミル化における触媒活性を現在調査中である。
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