研究概要 |
1,4-ジインとアリル化合物を2価チタン等価反応剤Ti(O-i-Pr)_4/2i-PrMgClと反応させると分子間-分子内で連続的に反応が進行し,対応する環化物を系中に生成する反応を見いだしている(J.Am.Chem.Soc.2001,123,4857-4858)。 本研究では,この反応を基にして,反応の拡張および天然物合成等への応用利用を鋭意検討している。その結果,生成する5-5員環性チタン化合物を利用するさらなる炭素延長反応を見いだし,その合成利用を現在検討中である。 また,この種の反応の知見を基に,さらなる連続環化反応の開発を行ったところ,その成果として,連続分子内-分子内ドミノ型環化反応を見いだした(投稿準備中)。 これらは,これまで例のない単一の金属活性種による連続分子間-分子内反応で,極めて効率性の高い反応である。 さらに,この化学の総合的な展開として,2価チタン等価反応剤による分子間あるいは分子内アリルカップリング反応の立体化学を明らかにし,新規ビシクロ環構築反応や不斉合成への展開を行った(J.Org.Chem.2002,67,1024-1026. Tetrahedron Lett.2002,43,6511-6514. Tetrahedron Lett.2003,44,653-657)。また,アルカロイドやステロイドCD環合成への応用を行った(Tetrahedron Lett.2002,43,8635-8637. Tetrahedron Lett.2003,44,2113-2115)。
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