研究課題/領域番号 |
14550822
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
千木 昌人 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90135046)
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研究分担者 |
本田 光典 金沢大学, 工学部, 助手 (60242533)
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キーワード | ホモプロパルギルセレニド / プロパルギルセレニド / ヒドロジルコネーション / Stille型カップリング / ポリエン化合物 / アリルセレニド / セレノキシド脱離 / [2,3]シグマトロピー転位 |
研究概要 |
周期表の様々な元素の特性を活用した選択的かつ効率的な分子変換反応の開発研究の一環として、パラジウムやジルコニウム、スズおよびセレンの各元素のもつ潜在的な反応特性を各々生かした反応を複合的に組み合わせ、有機合成上有用な官能基を有する化合物へ効率よく変換することを目的に、本年度の研究ではフェニルセレノ基を有する末端アルキン類のヒドロジルコネーションとPd触媒によるStille型カップリング反応を行い、さらに酸化的脱セレン化反応による多官能性化合物への変換反応について検討した。 フェニルホモプロパルギルセレニド(1)とCp_2ZrHClとのヒドロジルコネーションは位置および立体選択的に進行し、定量的に末端ビニルジルコノセン中間体を与え、さらにPd(0)触媒存在下ヨウ化アリールあるいはヨウ化アルケニルとのカップリング反応により、E配置を有するスチレン及びジエン誘導体が高収率で得られた。引き続き過酸化水素で酸化するとセレノキシド脱離が進行し、ほぼ純粋なE配置をもつジエンやトリエン化合物を与えることを明らかにした。また、1とE-ヨードアルケンとの薗頭反応とそれに続く酸化反応を順次行うと、良好な収率で共役エンインエン化合物が得られた。同様な手法により異性体であるジエンイン化合物も合成できた。一方、炭素数の1つ少ないフェニルプロパルギルセレニドとBu_3SnHとのPd(0)触媒存在下でのヒドロスタネーションは、上記反応とは完全に逆の位置選択性を示し、Bu_3Snが内部に導入されたアリルセレニドを与えた。得られたアリルセレニドを対応するセレノキシドに酸化し、[2,3]シグマトロピー転位によりアリルアルコールに変換した、さらに、Sn-Li交換反応により生成するビニルアニオン種とアルデヒドや酸ハライドなどの求電子剤との反応を行った結果、官能基化されたアリルアルコール誘導体が良好な収率で得られた。
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