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2002 年度 実績報告書

イリジウム錯体触媒による高選択的合成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14550828
研究機関横浜市立大学

研究代表者

武内 亮  横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (00216871)

キーワードイリジウム / 一酸化炭素 / カルボニル化 / アリルエステル / 炭素-炭素結合生成反応 / β,γ-不飽和エステル
研究概要

本研究では、π-アリルイリジウム中間体と一酸化炭素との反応による触媒的炭素-炭素結合生成反応の確立を目的として行った。アリルエステルが酸化的付加して生じるπ-アリル中間体と一酸化炭素、アルコールとの反応によってβ,γ-不飽和エステルが得られる。これまでにイリジウム錯体触媒を用いた例は報告されていない。
Diethyl(E)-3-phenyl-2-propenyl phosphateとエタノールの反応を触媒量の[Ir(cod)Cl]_2と配位子を用い一酸化炭素20kg/cm^2加圧下で行った。生成物としてethyl(E)-4-phenyl-3-butenoateが得られた。この生成物はπ-アリルイリジウム中間体において、置換基のないアリル末端に一酸化炭素が挿入して生成するアシル中間体を経由して得られる。生成物の収率は、用いる配位子の影響を受けた。AsPh_3を用いた時収率は90%であり、最も高かった。アリル位アルキル化やアリル位アミノ化で有効であったP(OPh)_3を用いると生成物の収率は47%であった。一酸化炭素雰囲気下では、生成物は全く得られなかった。エタノールのかわりにイソプロピルアルコールを用いると対応するエステルが収率82%で得られた。一級アルコールだけでなく二級アルコールも用いることができた。
Diethyl(E)-2-nonenyl phosphateを基質に用いると、生成物としてethyl 3-decenoateがE体とZ体の混合物として得られ、その比は88:12であった。これはアルキル基が置換したπ-アリルイリジウム中間体において、一酸化炭素の挿入が起こる前にsyn-antiの異性化が進行するためと考えられる。
この様にπ-アリルイリジウム中間体と一酸化炭素の反応を鍵段階とする触媒的炭素-炭素結合生成反応を確立した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] R.Takeuchi, Y.Akiyama: "Iridium complex-catalyzed carbonylation of allylic phosphates"Journal of organometallic chemistry. 651. 137-145 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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