研究概要 |
1 1,4-ベンゼンジメタノール、2,6-ナフタレンジメタノール、あるいは、4,4-ビフェニルジメタノールの結晶に(1S)-10-カンファースルホン酸の粉末を触媒量(5mol%)加え、めのう乳鉢ですり合せた後に無溶媒下で加熱しすると、融点以下の温度(60.C-95℃)で粉末状態を保ったまま脱水重縮合が進行し、対応するポリエーテルが得られることを見出した。 2 天然の各種単糖(グルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、アラビノース)についても、1)と同様に、触媒量(5mol%)のりん酸を加え融点以下の温度(80.C-120℃)で加熱すると、粉末状態を保ったまま脱水重縮合が進行し、多分岐糖鎖高分子(分子量数千)が得られることを見出した。興味深いことに、各単糖のα体とβ体は、固体状態では異なる反応性(溶融状態では反応性は同じ)を示し、生成する糖鎖高分子の構造も異なっていた。 3 各種シランジオール、シロキサンジオールに酸触媒や塩基触媒を無溶媒で作用させると、環状オリゴシロキサンや鎖状のポリシロキサンが得られることを見出した。ジフェニルシランジオールの結晶に5mol%の炭酸カリウムを加え110℃で24時間加熱すると、対応する環状4量体が選択的に生成した。一方、ケイ素上にメチル、シクロヘキシル、および、イソプロピルの各基を有するフェニルシランジオールからは、環状および鎖状のオリゴシロキサンが生成した。ところが、興味深いことに、これらのモノマーとジフェニルシランジオールを固体状態で混合し共重合させると、分子量数万のポリシロキサンが得られることが判った。また、1,1-ジメチル-3,3-ジフェニルジシロキサンジオールに5mol%の炭酸カリウムを加え65℃で24時間加熱すると最大で重量平均分子量50万程度の高分子量ポリシロキサンが生成した。
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