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2002 年度 実績報告書

トポ化学重合を用いた鋳型重合系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14550836
研究機関九州大学

研究代表者

佐田 和己  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80225911)

キーワードトポ化学重合 / ジアセチレン / 鋳型重合 / 水素結合 / 分子認識 / ジエン / 固相重合 / X線構造解析
研究概要

結晶中でのトポ化学重合を利用することで、溶液中でのより精密な鋳型重合系の構築を行うことを目的として研究を進めてきた。初年度である本年度は1.鋳型重合に用いることのできるモノマーの探索として、ジエンおよびキノジメタンの結晶重合反応性と分子構造・結晶構造の相関について検討を行った。さらに2.モノマー単位を溶液中で会合するための超分子シントンの開発についても検討を行った。
1については、系統的にジエンの反応性と結晶構造の相関を調べた。その結果、ジエンの場合はジアセチレンよりさらにジエンの空間配置に規制がかかっていることが明らかになった。特に5Åの間隔で2重結合がほぼ水平に並ぶ場合にのみジエンのトポ化学重合が進行することを明らかにした。また同様な手法を用いてキノジメタン類の結晶重合についても検討を行った。その結果、キノジメタンの異性化重合ではジエンの5Åの間隔よりすこし長い、7.2Åの間隔が必要であることを明らかした。これはキノジメタン骨格がちょうどトランス、シス、トランス型のトリエンに相当しており、モノマー間の距離を伸ばすことで、1,6-重合が可能になったものと思われる。このように多くの新しいモノマーの結晶構造を明らかにすることで、それぞれのモノマーがもつ重合反応性と幾何学的な分子の配置を解明することで、精密重合系の構築に役立つと考えられる。またこれらのモノマーを鋳型重合に用いることが可能になった。
2については、研究計画に従い、種々のpybox配位子の合成を行い、種々の第2級アンモニウムとの錯体形成を検討した。その結果アンモニウム間のスペーサの長さを炭素3個にすることで同じ方向を向いた錯体が形成されることを明らかにし、トポ化学重合の基礎となる超分子系の開発に成功した。今後はこれらのpybox配位子にモノマーを導入し、具体的にトポ重合が起こるかどうかを検討する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Matsumoto: "Reaction Principles and Crystal Structure Design for Topochemical Polymerization of 1,3-Dienes"Angew.Chem.Int.Ed.. 41巻14号. 2502-2505 (2002)

  • [文献書誌] T.ITOH: "Topochemical Polymerization of 7,7,8,8-Tetrakis (methoxycarbonyl) quinodimethane"Angew.Chem.Int.Ed.. 44巻22号. 4306-4309 (2002)

  • [文献書誌] N.YOSWATHANANONT: "A Novel Three-component Psedo-polymorphism in the Cholamide Inclusion Crystals Promoted by the Combination of Organic Guest and Water"Chem.Lett.. 12号. 1234-1235 (2002)

  • [文献書誌] K.Kato: "Interpretation of Enantioresolution in Nordeoxycholic Acid Channels Based on the Four-location Model"Chirality. 41巻22号. 53-59 (2003)

  • [文献書誌] N.YOSWATHANANONT: "Dependence of Selective Enclathration on Types of Cholic Acid Crystals"Org.Bio.Chem.. 1巻1号. 210-214 (2003)

  • [文献書誌] Yi TAO: "Photo-induced colour generation and color erasing switched by the sol-gel phase transition"Chem.Commun.. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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