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2002 年度 実績報告書

二重刺激応答性ブロック共重合体の「ミセル-逆ミセル」転移の動的解析

研究課題

研究課題/領域番号 14550845
研究機関福井大学

研究代表者

前田 寧  福井大学, 工学部, 助教授 (60242484)

キーワード温度応答性高分子 / 赤外分光法 / 高分子ミセル / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 相分離 / ブロック共重合体 / 水溶液 / 下限臨界溶解温度
研究概要

本研究では、異なる温度応答性を示すセグメントからなるブロック共重合体が、水溶液中において、温度変化に応答してコア部とコロナ部が反転する高分子ミセルを形成することを示した。
まず、上限臨界溶解温度(UCST)を持つpoly(3-dimethyl-(methacryloyloxyethyl ammonium propane sulfonate)(PdMMAEAPS)と下限臨界溶解温度(LCST)を持つpoly(N, N-diethylacrylamide)(PdEA)から成るジブロック共重合体を合成し、この共重合体がPdMMAEAPSのUCST以下あるいはPdEAのLCST以上の温度で、それぞれPdMMAEAPSあるいはPdEAをコアとするミセルを形成し、両者の間の温度でユニマー状態になることを示した。さらに、PdEAに帰属されるamide IバンドとPdMMAEAPSに帰属されるν(C=O)_<ester>とν(S=O)バンドの解析により、両セグメントの水和状態が、それぞれLCSTおよびUCSTを境に急激に変化することを示した。また、DSC測定によりLCSTではPdEAのアルキル基の脱水和に伴う吸熱ピークが観察されるが、UCSTではエンタルピー変化がほとんど無いことを示した。蛍光測定では、pyreneと2-anilinonaphthalene等の疎水性蛍光プローブはPdEAのコア内部には取り込まれるが、PdMMAEAPSのコアには取り込まれないことが明らかになった。
同様な二重温度応答性ブロック共重合体を、スルホベタイン系高分子をUCSTセグメント・ポリ(N-置換アクリルアミド)をLCSTセグメントとして種々合成して、モノマーの組み合わせと各セグメントの分子量を調節することや、溶液にイオンや共溶媒を添加することによりミセル化温度とユニマー領域の広さをコントロールできることを示した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Maeda, Yasushi: "Hydration and Phase Behavior of PoLy(N-vinylcaprolactam) and Poly(N-vinylpyrrolidone) in Water"Macromolecules. 35. 217-222 (2002)

  • [文献書誌] Maeda, Yasushi: "Change in Solvation of Poly(N, N-diethylacrylamide) during Phase Transition in Aqueous Solutions as Observed by IR Spectroscopy"Macromolecules. 35. 10172-10177 (2002)

  • [文献書誌] Maeda, Yasushi: "Spectroscopic Study on the Structure of Horseradish Peroxidase in Water/Dimethyl Sulfoxide Mixture"Biospectroscopy. 67. 107-112 (2002)

  • [文献書誌] Maeda, Yasushi: "Temperature-Responsive Graft with Poly(propylene glycol) Side Chains"Macromol.Rapid Commun.. 24. 242-245 (2003)

  • [文献書誌] Maeda, Yasushi: "Fourier-transform IR Spectroscopic Study on Phase Transitions of Copolymers of N-Isopropylacrylamide and Alkyl Acrylates in Water"Colloid Polym.Sci. 281. 78-83 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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