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2003 年度 実績報告書

PET/PENブレンド高速紡糸繊維の内部微細構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 14550847
研究機関京都大学

研究代表者

辻 正樹  京都大学, 化学研究所, 助教授 (60172003)

研究分担者 河原 豊  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (10303934)
キーワードポリエチレンテレフタレート / ポリエチレンナフタレート / ポリマーブレンド / 電子顕微鏡 / 電子回析 / 暗視野像 / 配向結晶化 / ポリブチレンテレフタレート
研究概要

1)ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET/PENブレンドについては、昨年度に行った透過型電子顕微鏡(TEM)による配向薄膜のモルフォロジー観察の結果を、第19回高分子加工学会年次大会(PPS-19;オーストラリア国メルボルン市、7月7〜10日)にて口頭発表し、さらに学術論文としてPolymer誌に発表した。
2)モルフォロジーの比較のため、PETやPENの仲間であるポリブチレンテレフタレート(PBT)についても、溶融物に「ずり歪み」を与えることにより配向薄膜を作製し、TEM観察した。制限視野電子回折パターンはα型結晶の回折反射のみから成り、一軸配向性を示したが、反射は全てアーク状であり、PET、PENならびにPET/PENブレンドと比較して、配向度はかなり低かった。しかしPBTでは、PETやPENよりも明瞭な積層ラメラ構造が観察された。暗視野観察において、PBT薄膜をずり方向(即ち、繊維軸)まわりに傾斜すると、数枚から数十枚の積層ラメラから成る集団が一体となって出現あるいは消失した。従って、「シシ」そのものは直接には認められなかったが、これらの積層ラメラはシシカバブ構造を形成していると結論した。結果は、平成15年度繊維学会年次大会(京都、6月11〜13日)ならびに第61回日本化学繊維研究所講演会(京都、11月20日)にて口頭発表した。
3)PET、PEN、PET/PENブレンドならびにPBTの配向薄膜のTEM観察の結果に基づいて、一歩踏み込んだ「シシカバブ構造モデル」を提案した。
4)PBTの高速紡糸繊維を種々の紡糸速度で作製したが、現時点ではまだ最適なエッチング条件が得られていない。PBTを始め、準備したすべての高速紡糸繊維に対して超薄切片作製も試みているが、今のところまだ、納得できる結果は得られていない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 吉岡太陽, 辻 正樹, 麹谷信三, 真鍋礼男, 横田義光: "ずり歪みにより作製したPBT配向薄膜のTEM実験"繊維学会予稿集2003(京都,6月11〜13日). 58・1. 114 (2003)

  • [文献書誌] 辻 正樹, 小原正義, 登阪雅聡, 冨上忠浩, 麹谷信三, E.L.Bedia: "ナイロン6,ナイロン6,6およびそれらのブレンドの,溶液キャスト薄膜ならびに溶融結晶化薄膜のTEMによるモルフォロジー観察"日本接着学会第41回年次大会講演要旨集(大阪,6月26日・27日). 131-132 (2003)

  • [文献書誌] T.Yoshioka, M.Tshuji, Y.Kawahara, S.Kohjiya: "Morphological Study by TEM on Uniaxially Oriented Thin films of PET, PEN and Their Blends"Abst.of Polymer Processing Society 19th Annual Meeting (PPS-19 ; Melbourne, Australia, July 7-10. 92 (2003)

  • [文献書誌] 辻 正樹: "結晶性高分子固体における微細構造の直接観察"日本材料学会第13回高分子材料シンポジウム(予稿集、京都 12月5日). 14-17 (2003)

  • [文献書誌] T.Yoshioka, M.Tshuji, Y.Kawahara, S.Kohjiya: "Morphological Study by TEM on Uniaxially Oriented Thin Films of PET, PEN and Their Blends"Polymer. 44・26. 7997-8003 (2003)

  • [文献書誌] 吉岡太陽, 辻 正樹, 河原 豊, 麹谷信三: "ずり歪みにより作製したポリブチレンテレフタレート配向薄膜の結晶モルフォロジー"日本化学繊維研究所講演集. 61・-(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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