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2003 年度 実績報告書

セルロース誘導体の溶液中でのらせん構造と高次構造

研究課題

研究課題/領域番号 14550848
研究機関大阪大学

研究代表者

佐藤 尚弘  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10196248)

キーワードセルロース誘導体 / らせん構造 / 高次構造 / 溶液物性 / コレステリック液晶 / 会合
研究概要

セルロースおよびその誘導体に高度な機能をこの高分子材料に付与することを最終目標として、セルロース誘導体の1種であるセルロース(トリスフェニルカルバメート)(CTC)に関して、溶液中での詳細ならせん構造およびこの高分子が溶液中で形成する液晶相、会合体等の高次構造を詳細に特性化することを目的として研究を行い、以下の成果を得た。
(1)溶液中でのらせん性CTCのテトラヒドロフラン(THF)中での固有粘度の温度・分子量依存性を詳細に調べ、折れ曲りみみず鎖モデルを用いて、溶液中でのCTC主鎖のらせん性を吟味した。セルロース主鎖には2種類のエネルギー安定な内部回転状態があり(3/1左巻きらせん状態と伸びきり鎖状態)、主鎖中のグルコース残基はそれぞれの回転状態を10残基ほど連続してとった後にもう一方の回転状態に遷移すると仮定すると、実測の固有粘度(あるいは持続長)の温度依存性をうまく説明できることを見い出した。
(2)会合性とコレステリック液晶性CTCのTHF濃厚溶液に対して動的光散乱測定を行った結果、濃度が約10%を超えるところから、溶液中に巨大なCTCの会合体が形成されていることが判明した。ただし、その分率は少なく、溶液はほぼ透明であった。濃度を上げると、同系は等方状態からコレステリック液晶状態となるが、さらに濃度をあげると溶液がゲル化し、それと同時にコレステリック構造が崩壊した。ゲル化と液晶構造崩壊の機構については、今後X線散乱法などを用いて調べる必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takahiro Sato 他: "Isotropic-Cholesteric Phase Equilibrium in Solutions of Cellulose Tris(phenyl carbamate)"Macromolecules. 36・8. 2939-2943 (2003)

  • [文献書誌] Takahiro Sato 他: "Solution Viscosity of a Moderately Stiff Polymer : Cellulose Tris(phenyl carbamate)"Macromolecules. 36・18. 6840-6843 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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