研究概要 |
本研究課題のうち、14年度として主に以下の2つの研究成果を得た。 1.ボットマニピュレータを目標点に接近させる方式において、単眼カメラでも可能である特徴ベースト法を検討した。この方法には、カメラ画面から特徴点がはみ出してしまうような状況までは想定されていない欠点があった。これを回避するには、特徴点ごとの画面端との距離および速度からファジィ制御を用いて総合的に適切なエンドエフェクタ動作を実現させる方法を考案し、ゲイン調節がうまくいっていない場合においても、アーム先端を正しくゴール地点(クッションダンパを接触させる点と想定した点)まで誘導できることを示した。また、エンドエフェクタを目標点までに誘導する途中で、目標点以外の接触を避ける必要がある。このような問題を状態量拘束つき2点境界値問題に帰着させ、逐次2次計画法により、エンドエフェクタ移動中の操作性も保ったまま,目標点以外との接触を避けた最適軌道が求められることを示した。 2.宇宙デブリの運動を減衰させた後、それを捕獲するためには、チェイサー衛星と呼ばれる衛星の姿勢運動をターゲット衛星の姿勢運動に同期させる必要がある。本研究課題では、ターゲット衛星は非協力衛星であることを想定し、慣性特性が分からない場合には通常の制御では適切に姿勢運動同期が実現できない状況に対し、適応則よって慣性特性を推定することにより、同期追従できることを示した。また,タンブリング運動模擬装置の前段階として単軸回転装置を作成し、カルマンフィルタによる回転速度計測の基礎実験を行い、光学マーカを観測することにより、位置、姿勢角、回転速度等を推定できることを確認した。 その他,実際に接触運動実験が行えるタンブリング運動模擬を作成購入し,接触による運動減衰実験開始への下準備を行った。
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