本研究では、荒天航海中の船舶運航者が操船判断を下す際に有益な情報を提供し、直接的に安全運航を支援するシステムの開発を目的としおり、具体的に本年度では以下の研究を行った。 (ハードウェアの構築) ハードウェアはノートパソコンを中心として、光ファイバージャイロ、超音波式波高計よつて構築されており、本学附属練習船汐路丸による実験航海においてその有効性が検証された。波浪データのコンビュータへの取り込み状況は良好であり、自動計測によって十分な量のデータを取得できた。しかしながら、本船搭載のマイクロ波式波高計が故障中であったため、具体的な精度の検証は平成15年度以降に行う予定である。構成する。 (海面画像のオンライン取り込みソフトの開発) 当初、別研究課題において購入している高速画像センサーをシステムに加える予定であったが、超音波式波高計関連のプログラム開発との関係で、現在開発途中である。画像データは大容量となるため、メモリ管理や処理速度に注意する必要があるが、方向波スペクトラム推定プログラムの処理速度との関係で、もう一台のコンピュータを導入した方が良い可能性が出てきている。 (方向波スペクトラム推定プログラムの開発) 超音波式波高計ならびに船体動揺データから方向並みスペクトラムを推定する部分は既に完成しているが、上述の問題により、海面画像から方向波スペクトラムを推定する部分はまだ完成に至っていない。しかしながら、実船実験によって、方向波スペクトラムのリアルタイム推定が可能であることを確認できたことから、第一段階はクリアしているといえる。
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