研究課題/領域番号 |
14550862
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
船舶工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安澤 幸隆 九州大学, 工学研究院, 助教授 (10191123)
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研究分担者 |
前田 正広 九州大学, 工学研究院, 助手 (70173713)
豊田 和隆 九州大学, 工学研究院, 助手 (10274507)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 並列コンピューティング / 振動解析 / 領域分割法 / 前処理 / 共役勾配法 / 周波数応答解析 / MPI / 大規模構造解析 |
研究概要 |
従来、船体構造の振動解析は「共振回避設計」を行うための部分構造の固有振動解析が主流であった。しかし、船体各部は様々な固有振動数を持つため、全ての固有振動数を回避することは難しいだけでなく、接水影響で固有振動数が低下し、通常の上逃げによる共振回避が困難な場合もある。そこで、次世代の振動設計は振動応答量を予測して制御する設計を行うべきであると考えられる。減衰の定量化が実現され、応答が精度良く得られるようになれば、応答によっては共振回避する必要がなくなる。そのような周波数応答解析を行うには、全船解析や精度良い大規模構造振動解析が必要であり、膨大な計算量と計算時聞、およびFEMメッシュ作成時間を要する。 本研究ではそこで並列コンピューティングの技術を用いて、分散型計算機により大規模な周波数応答解析を効率よく行う手法を開発した。まず、MPIの通信ライブラリー、WindowsまたはLinuxのOS、Fortranコンパイラー、および高速のネットワークを用いた並列計算機システムを構築し、オフィスで通常使用されているコンピューター環境を利用して大規模な並列構造解析ができることを示した。船体の全船振動解析を行うための、Domain Decomposition before Mesh Generation、すなわち対象構造物の領域分割をまず行った後に有限要素メッシュ生成を行う並列計算用プリ処理の思想を新たに示した。この方法により、メッシュ生成が部分領域毎に行えるため、メッシュ生成に関わる人的作業の並列化も行えるので設計における数値解析が短期間で行える。 また、複数の平板からなる構造に対して領域分割法を用いて、周波数応答解析を並列化して行なうプログラムを開発した。部分領域の境界の適合性を満たすよう、共役勾配法を用いて反復計算を行い、領域境界上の不平衡力を0へ収束させるものである。領域境界には一般に並進と回転の自由度が混在しているため、収束しない場合もあることを示し、前処理によって収束性が大幅に改善されることを示した。また、周波数が高くなるにつれ、収束性が悪化することを明らかにした。
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