(1)露天採掘場の現状における採掘範囲や形状情報をリアルタイムでデータ収集する方法として、地上型3次元レーザースキャナ(RIEGL社製LMS-Z420)とRTK-GPS受信機(GS5+)を用いて測量を行い、測量データをGISに必要なデータに直接変換することによって、現位置でリアルタイムに採掘場の形状を再現できるGPS/GISデータキャプチャシステムを構築した。 (2)採掘跡地の可視領域を予測する場合、標高データに基づく地形の起伏によって可視・不可視を判別することが基本となる。しかし、地表上には樹木や構造物などの景観遮蔽物があり、これらによって採掘跡地が見えなくなる領域がある。そこで、景観遮蔽物の分布状況を把握する方法として、高解像度衛星ASTERの近赤外域バンドで取得される情報を利用して、構造物や針葉樹、広葉樹等の植生状況を把握し、それらの分布域を自動的に求めるシステムを開発した。 (3)(1)により得られた地形情報と(2)の高解像度衛星データにより得られる樹木や構造物等の景観遮蔽物の分布域と高さに関する情報をGIS (Arc View 8.1)に入力して、露天採掘場の可視領域を抽出するシステムを開発した。 (4)景観評価を規定すると考えられる7種類の因子を説明変数とし、景観評価実験から求められる評定尺度の平均値を目的変数として重回帰分析を行った。その結果、視距離(x_1)、視線入射角(x_2)、中心見込角(x_3)の3因子が景観評価に及ぼす影響度が高い因子であることが明らかとなり、次式により景観評価予測値(y)を算出することが可能となった。また、この予測値とGISを用いて、対象地域の可視領域内での景観重要度予測が可能となった。 y=1.63x_2+1.32x_3-0.183x_1+2.09
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