研究概要 |
湛水条件下でのイネの発芽、幼苗の生育へのALDH2aとACS1,ACS2の機能を明らかにするために、dexamethazone (DEX)誘導性のプロモーターを用いたALDH2a, ACS1, ACS2のセンス、アンチセンス、RNAiのプラスミドを作製し、イネに形質転換した。ASC1,ACS2のセンス、アンチセンス、RNAiの形質転換体を用いた予備実験では、ACS1,ACS2と湛水条件下でのイネの発芽、幼苗の生育との間の関連を示すことができなかった。これはACS1とACS2はお互い"redundant"な関係にあるということが原因の一つとして考えられた。今後、ACS1,ACS2の両方の発現を抑制させた形質転換イネを作製し、ACS遺伝子の機能を調査する必要があると考えられた。また、ALDH2についてはセンス、アンチセンス、RNAiの形質転換体がまだ実験に供試できる段階に至っていないが、ALDHの特異的な阻害剤であるジスルフェラム等でイネ幼苗を処理すると、子葉鞘の伸長が著しく阻害されたことから、ALDH2の発現抑制形質転換イネを用いた湛水条件下におけるイネの発芽、幼苗の生育の調査でも同様の結果が得られると期待される。
|