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2003 年度 実績報告書

イネの内生PR-3キチナーゼの発現特性に関する包括的解析

研究課題

研究課題/領域番号 14560004
研究機関京都大学

研究代表者

中崎 哲也  京都大学, 農学研究科, 助手 (60217693)

研究分担者 奥本 裕  京都大学, 農学研究科, 助教授 (90152438)
谷坂 隆俊  京都大学, 農学研究科, 教授 (80026591)
キーワードPR-3 / キチナーゼ遺伝子座 / 発現特性 / GST融合タンパク質発現系
研究概要

感染特異的(PR)タンパク質の一つ,PR-3に分類されるキチナーゼは,細菌類細胞壁の主要な構成要素であるキチンを分解する酵素であり,生体防御機構の中での主要な役割を担っている.イネにおいては,種々の品種に由来する25種類ものキチナーゼ配列が報告されているが,キチナーゼ遺伝子の育種的利用価値を考察するためには,種々のアイソザイムの作用特性を比較検討しておくことが重要である.昨年度の本研究の結果,25種類のキチナーゼ配列は,Cht1〜Cht12の12座のいずれかのアレルであることが明らかになり,これによって従来発現が確認されていた全てのイネキチナーゼ遺伝子座の同定を完了することができた.また,正常個体における各遺伝子の発現特性はいくつかのパターンに分類しうること,および,発現強度の品種間変異が存在することが示唆された.さらに,活性のある組換えキチナーゼが得られる組換え体キチナーゼ精製に関する系が確立された.
昨年度の結果を踏まえ,本年度は,各遺伝子座がコードするキチナーゼアイソザイム間の酵素活性,抗菌活性およびエリシター処理による転写活性の特性比較を試みた.Cht1,Cht4毎およびCht5遺伝子に関する組換え体キチナーゼタンパク質の酵素特性および抗菌特性を解析した結果,CHT4とCHT5はCHT1に比べてpHの影響を受けやすいこと,および,CHT4はCHT1やCHT5に比べて低温による活性の低下が緩慢であることが明らかになった.また,T.virideに対する抗菌活性の解析から,菌の病原性,非病原性の違いによって抗菌作用が異なることなどが判明した.一方,各遺伝子の発現特性の解析から,12座の遺伝子は,感染特異的に誘導されるもの,時期特異的,組織特異的に発現がプログラムされているものおよび両者の特性を併せ持つものが存在することが明らかになった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 築山拓司: "GST融合イネPR-3キチナーゼの精製とその作用特性の解析"近畿作物育種研究. 48. 47-51 (2003)

  • [文献書誌] 築山拓司: "エリシターおよび病原体感染処理によるイネPR-3キチナーゼ遺伝子の発現"育種学研究. 6(別冊1)(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] 築山拓司: "イネPR-3キチナーゼのドメイン構造が酵素活性および抗菌活性におよぼす効果"育種学研究. 5(別冊2). 141 (2003)

  • [文献書誌] 築山拓司: "イネPR-3キチナーゼアイソザイムの抗菌活性および酵素活性の比較"育種学研究. 5(別冊1). 46 (2003)

  • [文献書誌] 築山拓司: "大腸菌組換えタンパク質発現系によるイネPR-3キチナーゼアイソザイムの作用特性の解析"育種学研究. 4(別冊2). 117 (2002)

  • [文献書誌] 中崎鉄也: "イネの全PR-3キチナーゼ遺伝子の対立性"育種学研究. 4(別冊2). 116 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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