研究課題/領域番号 |
14560005
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
陳 蘭庄 宮崎大学, フロンテイア科学実験総合センター, 助手 (40284822)
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研究分担者 |
吉田 薫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70183994)
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キーワード | アポミクシス / アポミクシス候補遺伝子(ASG1) / 有性生殖 / ギニアグラス / イネ / 形質転換体 / pAct-ASG1コンストラクト / バイナリーベクター |
研究概要 |
本研究はこれまでに条件的アポミクシス性ギニアグラスから得ているアポミクシス候補遺伝子の機能解析を目的とし、3カ年の計画で有性生殖やアポミクシス性ギニアグラスの形質転換体を作製して実験を進めるものである。今年度は2年目で以下、得られた成果をまとめた。 実験材料はギニアグラスの有性生殖の2系統及び条件的アポミクシス性ギニアグラス2系統を用いて、それぞれの系統の子房、葉鞘及び成熟した種子由来のカルスを、遺伝子導入実験に使用した。ここでもコントロールとしてイネ品種の"日本晴"のカルスを使用した。3種類のバイナリーベクター(pIG121Hmバイナリーベクター35S::ASG1、pSMA35H2バイナリーベクター35S::ASG1、pActnos/Hm2バイナリーベクターアクチンプロモーター::ASG1)(抗生物質を含むが、GUS遺伝子がASG1と置換した)を使ってそれぞれ異なるアグロバクテリルムに入れてギニアグラスとイネのカルスに感染して、抗生物質で抵抗性カルスを選抜して再分化培地で植物体再生をさせている。今までの結果、後者の2種類のバイナリーベクターはギニアグラスとイネに感染したが、前者の1つはイネだけに感染したことがカルスの活着率で分かった。さらに再分化培地へ移植して培養すると、感染後3か月を経て、細長い白色の根が多数形成された。これらの培養物を新しい培地へ移して再分化を誘導している。この時点でASG1が入っているかどうかをチェックするため、根が形成されたカルスを用いてDNAを抽出した。ASG1遺伝子の両端(上流と下流)をカバーする20塩基から、それぞれプライマーを作製して抽出したDNAを鋳型としてPCRを行った。日立(i-chip)による電気泳動の結果、イネ品種"日本晴"、ギニアグラス有性生殖性系統N68/96-8およびアポミクシス系統N68/96-8-o-11のカルスから、それぞれ900bp付近に1本のバンドが認められた。バンドのサイズが組換えたASG1遺伝子と一致していることから、再分化培地に移ったカルスは外来遺伝子ASG1が確かに導入されていることが明らかになった。いま、組換え植物体を再生中。
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