研究課題/領域番号 |
14560006
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
長谷川 博 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (00090457)
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研究分担者 |
奥本 裕 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90152438)
入江 俊一 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (30336721)
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キーワード | イネ / 突然変異 / セシウム抵抗性 / 翻訳開始因子 / eIF-5A / 3'-UTR / 環境ストレス |
研究概要 |
日本晴を原品種とするイネのセシウム抵抗性突然変異体について、簡易ディファレンシャルディスプレイ(DD)法により抵抗性遺伝子の検索を行ったところ、翻訳開始因子のひとつeIF-5Aの関与が示唆された。しかも、突然変異体はeIF-5Aをコードする遺伝子の3'-UTRに変異が生じていることも明らかになった。本年度は前年度までの成果の追試を主に行って、セシウム耐性とeIF-5Aの関わりについて詳細に検討した。 1)突然変異体と同程度、あるいはそれ以上のセシウム抵抗性を示す品種の存在が明らかにした。これら品種のeIF-5A遺伝子の3'-UTRを調べているが、これまでに突然変異体と同様の配列は認められていない。ただ、抵抗性弱の品種のなかに突然変異型のeIF-5Aをもつ品種(金南風)の存在も明らかになり、セシウム抵抗性とeIF-5Aの関係をコンタミの可能性を含めて再検討中である。 2)eIF-5A遺伝子の発現に及ぼすセシウム処理の影響について、RT-PCRおよびリアルタイムPCR法により調査したが、発現は生育環境等の条件により変化することが明らかになった。 以上の結果は、eIF-5Aの変異が単純にセシウム抵抗性に結びつかないことを示唆しており、シュートと根に及ぼす生育環境、他の遺伝子の発現との相互作用によりeIF-5Aの発現が異なっていると推察される。そこで、3)DD法により得られた他の突然変異体特異的DNA断片がどのような遺伝子と関係するのかを調べることにして、現在cDNA断片のクローニングを進めている。 さらに突然変異体の形態、セシウム抵抗性の遺伝について予備調査を行った。
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