研究概要 |
水稲の根系形態の特徴をクローズアップするために,多様な草種間・属間における根系の形態比較を行った.調査草種は2002年に佐賀大学学内、同大附属農場、佐賀市嘉瀬川堤防より採種した22科45種の一年草及び多年草である.根系は画像処理し,根の直径階級別の根体積を求めた.調査草種は主根型19種、ひげ根型18種、地下茎型8種の3つに大別され,3つの根型の各形態的特長を主根と側根、あるいは不定根の根量として明確に示した。すなわち、主根型根系では主根と側根の太さ毎の根量割合が明示され、ひげ根型根系では1mm径以上のやや太い1次根と一様に細い0.5mm径前後の高次分枝の細根の根量を分けて示すことができた。また、地下茎型根系は直径数ミリの太い地下茎量と1mm径以下の細根量がそれぞれ確認できた。1mm径以上の太根部分は、草種と根型によってその量が異なったが、1mm径以下の細根が全根系の相当量を占めることは鱗茎・塊茎型根系を除くすべての根型の根系に共通して存在した。 一方,水稲根系の施肥窒素の化合形態に対する反応の比較を生態型が異なる10品種で行った結果,好アンモニア性と言われる水稲において,アンモニア態窒素で地上部根系共に生育がまさる品種だけでなく,部の品種で硝酸態窒素で地上部・地下部共に生育が優ることが示され,その原因解析と有効利用について検討した.
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