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2002 年度 実績報告書

アポプラスト液とシンプラスト液の分別分析による果実の収穫後生理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14560018
研究機関山形大学

研究代表者

村山 秀樹  山形大学, 農学部, 助教授 (40230015)

キーワードリンゴ / みつ症状 / 糖組成 / アポプラスト液 / シンプラスト液 / ソルビトール
研究概要

リンゴ果実には,成熟中にみつ症状が発生する晶種がある。本研究では,みつ症状発生のメカニズムを解明するために,みつ症状の発達と糖蓄積との関係について検討した。
実験には,果実の成熟中にみつ症状が発生する'ふじ'ならびに発生しない'陽光'と'王林'を供試した。3品種ともに果実は,収穫適期1か月前から適期まで10日ごとにサンプリングを行い,果実に含まれる水分をシンプラスト液とアポプラスト液に分別したのち,各液の糖組成を分析した。また,'ふじ'については,みつの発生部位と非発生部位における糖組成の分析もあわせて行った。
その結果,'ふじ'においては,アポプラスト液のスクロース,フルクトースおよびグルコース含量の変化がわずかであったのに対してソルビトール濃度は成熟に伴い著しく増加した。また,アポプラスト液のソルビトール濃度は,シンプラスト液に比べて終始高い値で推移した。シンプラスト液では,ソルビトール濃度が収穫適期30日前から10日前にかけてわずかに増加したことを除き,糖濃度はほとんど変化しなかった。みつ症状の発生しない'陽光'と'王林'では,アポプラスト液のソルビトール濃度が成熟中に増加したものめ,'ふじ'と比較すると,、収穫適期時の含量は,1/4から1/5程度であった。さらに,シンプラスト液とアポプラスト液におけるソルビトール濃度の差もわずかであった。'ふじ'のみつ発生部位から採取したシンプラスト液とアポプラスト液は,非発生部位から採取した液と比較して量が多く,全糖濃度が低いことが判明した。糖組成については,ソルビトール濃度だけがみつ発生部位で高かった。
以上の結果より,'ふじ'においては,果実の成熟に伴い,ソルビトールがアポプラストに著しく蓄積することが判明し,このことがみつ症状の発達に関係していると考えられた。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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