研究課題/領域番号 |
14560019
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
半田 高 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (00192708)
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研究分担者 |
遊川 知久 国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 主任研究官 (50280524)
倉重 祐二 新潟県立植物園, 研究官
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キーワード | ツツジ / 園芸品種 / DNA / AFLP / IGS |
研究概要 |
本年度は昨年度に引き続き主要な常緑性ツツジ園芸品種群について、各園芸品種群に含まれる園芸品種の成立に関与した可能性のある原種野生系統の材料を収集し、DNA分析と交配実験をおこなった。材料の収集は、未収集あるいは系統数の不十分な野生種について、国内旅費を使用し主に四国・中国地方のキシツツジ・サツキの収集を行った。収集の際には自生地の状況を記録し、収集サンプルの形態調査をおこなった。 また、これまで収集したサンプルを用いて常緑性ツツジ園芸品種群の成立に関わった可能性のある原種特にヤマツツジ亜属の種特異的なDNAマーカーの獲得を目的とするAFLP分析による多型マーカーバンドの分析を行った結果、ヤマツツジ亜節はヤマツツジ列とサツキ列が九州産と本州産で分かれる結果となったことから、ヤマツツジ列とサツキ列に含まれる種の起源や種分化を明らかにするサンプリングと分析をおこなった。 さらに、遺伝子間領域の一つであるIGS領域の塩基配列を調べた結果、葉緑体matk-trnK領域や核ITS領域では変異の見られなかった種間においても、一部塩基配列の違いを検出することができたことから、本年度は種間で変異のある領域を明らかにした。この領域を種特異的DNAマーカーとして用いるために、その遺伝性を調べた。常緑性ツツジ園芸品種群の成立に関わったと思われる一部野生種の交配実験を昨年度行ったところ、一部組み合わせで結実し種子が得られた。この種子の一部を播種して得られた実生を育成し分析したところ、本領域の後代への遺伝と分離が確認された。
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