研究概要 |
本年度は、試験1.として前年の平成13年11月から12月にかけて日本大学生物資源科学部構内で採取した落葉・落枝層を構内圃場において1区50cmx80cmx20cmのバットに砂を充填し落葉・落枝をそれぞれ5cm,10cm,20cmの厚さに敷均した計3区の試験区を設置した。併せて同圃場の土壌に直接1区60cmx100cmの枠を組み、構内から採取したウバメガシの種子を播種し、その上に同じく落葉・落枝を上記3種の厚さに敷き均した計3区の試験区を設置した。それぞれの試験区においてサーモレコーダーによる温、湿度測定および樹木種子の発芽・出芽数、その後の実生の成長状況を測定した。前者の試験区では平成14年春より落葉・落枝層からコナラ、エノキ、クスノキの発芽・出芽とその後の成長が認められたが、夏期に乾燥で枯損した。後者の試験区ではウバメガシと落葉・落枝層からクスノキ、エノキが発芽・出芽し、成長が認められた。以上の試験から落葉・落枝層10cm厚で試験区の出芽、成長が良好との結果を得た。 試験2.として構内のコナラ林から採取した落葉・落枝を林内に1区2mx2m枠に落葉・落枝を上記3種の厚さに敷均した計3区の試験区を設置した。試験区の温、湿度、相対照度の測定と、落葉・落枝層から発芽・出芽したコナラ、エノキ、クスノキの成長状況を測定した。その結果、厚い落葉・落枝層で出芽数が多いことなどが認められた。 平成14年11月には上記の結果を踏まえて新たに計87区の試験区を設置し、光量子計、土壌水分計、サーモレコーダーデーで環境条件を測定して、15年春の出芽に備えている。
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